ポールポジションからレースをスタートするザルコは、レースをフロントでリードし、そのまま最後までトップ争いが出来るはずだと語ります。また、ベストライダーから学ぶにはフロントで走るしかないという言葉は説得力があります。

ヨハン・ザルコ

「土曜の段階で最高の気分です。最初にニュータイヤで走り始めた時に1周目が最高のパフォーマンスが出せるものの、そこで良い形で走行が出来ませんでした。その時点の1’31.6も悪くないタイムで充分にハッピーだったんですが、2回目の走行では出来る限り良い形で走行しようと思っていたんです。自分のあのタイムをダッシュボードで見た時は正直信じらませんでしたし混乱しました(笑)その後も同様の走行を続けようとしたんですが、自分のタイムに驚いていたのもあって同じ形での走行が難しかったんです。ただあのタイムでポールには充分だったんです。チェッカーフラッグが振られて自分の名前がポールポジションとして表示されているのを見て嬉しかったですし、観客も喜んでいたんですが、スクリーンを見るとマルクがプッシュしているのが見えたんです。あのスクリーンだと区間ベストで走行しているかなどの情報はわからないんですが、カメラがマルクしか移していないということは、良いタイムで走っているんだろうと感じました。2位でも悪くはないか。。と思っていたんですが、最終的にはポールポジションだったわけです。明日のレースに備えて最高の位置ですし、フランスGPで1列目というのも素晴らしい結果ですが、そこでポールポジションなんですから、まるでボーナスですね。」

「FP4ではソフトリアタイヤで周回をこなし、ミディアムリアに関しても良い感触を得ていました。ただ多くのライダーが良いペースで走行出来る状態で、最初はフルタンクで重い状態から徐々にバイクが軽くなっていくわけです。そこにタイヤの問題も絡んでくるわけですが、どうなるかでしょう。自分はチームと共に良い形で作業を進めていますが、ここではタイヤのドロップが少ないので他のトラックと比較してペースを見つけるのは難しくありません。というのもここではタイヤのグリップはそこまで落ちないからです。そういう意味ではこうした面で苦戦しているヤマハのバイクにとっては助かると思います。現時点でマルクが最強ですが、誰か他のライダーが他の誰かよりも速く走行するということは予測が難しいです。まずはレースをスタートして序盤にレースをリードするというのが良いでしょう。グループの中で走行するというリスクを侵さないほうが良いでしょうね。その後で優勝争いが出来るかどうかですが、毎週末優勝出来るチャンスはどんどん近づいてきていると感じています。」

「金曜は良い形でスタートしたんですが、良い加速をするためのリアグリップに悩まされていました。いくつかのトラックではこうした感覚を得ることがあって、これを改善するのは難しいんです。昨日もこの問題があったんですが、いつもより問題は深刻ではありませんでした。そして今回はこの問題を解決することができたんです。FP4の最後にニュータイヤでこの問題をほぼ解決することが出来たのがラッキーでしたね。」

「昨年の時点で多くのファンが写真やサインを求めてきたので、今年はもっと多くのファンが集まるだろうというのは予想していたんです。昨年は全てが良い形にいきましたので、今年はそれを頭にいれていこうと思い、ヤマハのバイクの場合、バイクの上でとにかくリラックスしていることが重要なんです。またチームもプレスのスケジュールなども良い形でコントロールしてくれています。あまりに人気になることで”もう十分だ”と感じたりすることもあるでしょうが、自分の部屋やホスピタリティーに戻ってディナーを食べることも出来ますし、今は全てがコントロール下にありますので嬉しく思っています。そして今起きていることは毎日起きているわけではありませんから、この状態をネガティブに捉えるのは勿体ないと思うんです。完全に逆でものすごくポジティブなことが起きているんです。こうした経験は人生の中で何度もあるわけではありませんから、心の中にこの瞬間を留めておきたいと思います。」

「昨年のル・マン、そして今年カタールでレースをリードしていた時は、ただレースをリードすることが嬉しかったんです。というのもフロントというのは最もレースをするにあたって安全な場所でしたし、もしその日が自分の日と言える形であれば、そのまま逃げ切ることも出来たと思うんです。そうでなければどうなるか様子を見ようと思っていました。ただここでは状況が少し異なっていると思っていて、ここでは良いペースで走行するということに取り組んできましたし、実際に良いペースで走行出来ています。ただ、やはり序盤にレースをリードするというのは、集団の中で戦う必要があった場合に良い戦略だと思います。また昨年レースをリードする中で学んだのは、他のライダー達よりもソフトタイヤを履いていたとしても、他のライダーについて行ってライディングを学ぶことが出来たということです。こういったベストライダー達がスタートから何をしているのかを一番良く観察出来るのはやはりフロントなんです。そしてこういった内容を学ぶことが自分の助けになりましたし、自分のチームにも情報を与えるのに役立ったと思います。そしてこうした事からも、レースをリードして最後までフロントで戦うことが出来ると思うんです。」

(Photo courtesy of michelin)