ミシュランは2019年開幕戦の舞台となったカタールにおいて、ミシュランのタイヤによっていくつもの記録が更新され、Ducatiのアンドレア・ドヴィツィオーゾが優勝するのを見届けました。

金曜日からミシュランのPower Slickタイヤ、2019年から採用されたリアソフトコンパウンド、フロントハードコンパウンドを含む全6種類のタイヤは5,380mのサーキットで使用され、昨年を上回るタイムが記録されました。レプソル・ホンダのマルク・マルケスは1’53.380というタイムを初日に記録。2日目もすべてのセッションで昨年よりも素晴らしいタイムが記録されました。

Power Slickタイヤはライダー達が限界までプッシュ出来る自信とグリップを与え、マーべリック・ビニャーレスは土曜日に新たなポールレコードを記録してポールポジションを獲得しました。

決勝レースは例年よりも開始時間が遅くなったことで気温は低く、トラックは19℃という状況でした。ドヴィツィオーゾがホールショットを奪い、序盤の4周をリード。その後アレックス・リンスがトップに立ちますが、何度も2人は順位を入れ替えます。その後レースは8人のライダーがトップで争う展開となります。

気温が低いトラックにも関わらずPower Slickタイヤは素晴らしいパフォーマンスを発揮。ライダー達は皆素晴らしいラップタイムで周回を重ねます。最後にマルケスはドヴィツィオーゾにアタックを仕掛けますが、ドヴィツィオーゾがこれを交わして、2019年の開幕戦を制しています。

マルケスは2位、カル・クラッチローが3位、独立チーム1位を獲得。リンスは4位、バレンティーノ・ロッシは5位となりました。ダニロ・ペトルッチは6位を獲得、ポールポジションからスタートしたマーべリック・ビニャーレスは7位、ジョアン・ミルは8位でルーキートップとなりました。中上 貴晶が9位を獲得し、アレイシ・エスパルガロが10位となっています。

ファステストラップを記録したのはルーキーのファビオ・クアルタラロで、彼はウォームアップラップスタートでエンジンストールをしたために、ピットレーンからのスタートとなりました。これによって彼は5位という素晴らしい予選順位を活かすことが出来ずに終わっています。

記録更新はこれだけでなく、マルケスはトップスピードとなる352.0Km/hを記録。タイヤはバイクのパワーを路面に伝えるだけでなく、ライダーが求めるスピードをも発揮。ポイント獲得をした15名のライダー達はわずか15秒の差しかなく、これだけの接近戦が実現したのはタイヤがコンスタントなグリップを発揮したからと言えます。ミシュランとパドックはこれから南アメリカへと飛び、テルマス・デ・リオ・オンドにて3月31日に開催されるアルゼンチンGPに備えることとなります。

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「このようなレースは予想していなかったので本当に嬉しいです。タイヤを完璧にマネジメント出来ましたし、戦略も完璧だったと言えるでしょう。最後はマルクよりもグリップが残っていたので、彼にしっかりと対応出来ました。今日はトラックの状況は限界だったでしょう。でもタイヤをしっかりとマネジメントしたことで最後に優勝が出来ましたね。」

2輪モータースポーツグループ・マネージャー:ピエロ・タラマッソ

「ミシュランにとって素晴らしい週末でした。プレシーズンテストからの素晴らしい流れを引き継ぐことが出来たと言えます。金曜は6種のタイヤが全て使用され、ファステストエバーラップレコードも記録されました。他のセッションでも高速タイム、そしてポジティブなフィードバックをライダーとチームからもらっています。そして予選でも新たな記録が産まれています。」

「レースでは開始時間が遅く気温が低かったため、ソフト、ミディアムコンパウンドしか使用出来ませんでした。しかし前後ミディアム、前後ソフト、ミディアム/ソフトなど様々な組み合わせが見られ、このコンディションで最高のパフォーマンスを引き出す組み合わせをライダー達に提供出来たと思います。」

「ペースは練習走行や予選ほどではありませんでしたが、気温を考えるとこの結果には満足しています。タイヤのコンスタントさとグリップも素晴らしく、トップ15名のライダー達が本当に接近していたことにも見て取れました。これからアルゼンチンという極めて厳しいトラックへと移動することになります。しかししっかりと準備は出来ていますし、素晴らしいシーズンスタートの流れを引き継いでいきたいと思います。」

(Source: michelin)

(Photo courtesy of michelin)