オデンダールがポイント圏に肉迫してチームのホームGPを終える。ベンスナイダーは序盤に転倒リタイア
第8戦オランダGPの決勝レースは、日曜午後12時20分(日本時間午後7時20分)にスタートしました。22番グリッドからの巻き返しを狙っていたNTS RW Racing GPのボ・ベンスナイダーは残念ながら2周目に転倒を喫し、リタイアとなってしまいました。チームメイトのスティーヴン・オデンダールは16位でゴール。大いに健闘しましたが、チャンピオンシップ獲得圏の15位には惜しくも届きませんでした。
土曜の予選では残念ながら好グリッド獲得を逸したNTS陣営の両雄は、挽回を狙って決勝レースに臨みました。ベンスナイダーはスタートをうまく決めて順位を上げ、1コーナーに飛び込んでいきました。しかし、その直後に他車が運悪くベンスナイダーのブレーキに接触してしまったため、順位を数ポジション落としてしまいました。2周目には、ふたたびポジションを上げてさらに前に出るチャンスを伺っていましたが、直前を走るシモーネ・コルシ選手がラインを少しはずしてしまった際に、そのリアタイヤがベンスナイダーのフロントタイヤに接触し、両選手とも転倒する結果になりました。幸いにもベンスナイダーは数ヶ所の打撲程度で、大きなケガはありませんでした。
オデンダールは27番グリッドというほぼ最後尾からのスタートでしたが、1周目を終えた段階で24番手に浮上。そこからさらにじわじわとポジションを上げ続け、安定したラップタイムで走行を続けました。その過程では、わずかにコースリミットをはみ出してしまったため、規定コーナーを大回りに走行する「ロングラップ・ペナルティ」を科されることになり、その結果、15位入賞というポイント獲得圏は惜しくも逃してしまいました。NTS RW Racing GPのチームマネージャー、ヤルノ・ヤンセンは今回のレースを振り返り、次のように話しました。
「TTサーキットアッセンは我々のホームグランプリで、今回は高い結果を期待していました。それだけに、ボが決勝レースで転倒を喫してしまったのは本当に残念です。一方、スティーヴンはとてもがんばってくれました。土曜日までの厳しい展開を、このようなポジティブな結果で終えてくれたということが、なによりも今回の大きな収穫です。次戦のザクセンリンクは2週連続になりますが、いい流れを引き寄せられるように、チーム全員が一丸となって戦います」
ボ・ベンスナイダー選手コメント
(決勝レース:転倒リタイア)
「レーシングインシデントとはいえ、こんな形でレースを終えることになったのは本当に残念だ。僕の立場からは、他の選手かバイクに接触された結果の転倒だったと言わざるをえない。レザースーツが衝撃を吸収してくれたおかげで大きなケガに至らなかったのは、不幸中の幸いだ。今回は厳しいウィークだったけれども、チームは全力を尽くして本当によくがんばってくれた。NTSがニューパーツを投入してがんばってくれているけれども、同じマテリアルを使用するライバルチームとそのパーツのパフォーマンスを比較する、ということが僕たちにはできない以上、その点ではある程度の不利を強いられてしまうんだ。だから、いいセットアップを見いだすのにも少し時間がかかってしまう。今日はいいフィーリングで決勝レースを走り出すことができただけに、転倒してしまったことが悔しくてならない。転倒するまで、僕はマンツィ選手の後ろにつけていて、アグレッシブに走る彼の後方で一緒に上位を目指して追い上げて行く作戦だったんだ。マンツィ選手は、7位で決勝を終えていたよね。僕も彼についていってポイントを獲得したかったけれども、そのためにはまず完走しなければ話がはじまらない。幸いにも2週連戦で、来週はドイツGPだから、気持ちを切り替えて今度こそがんばるよ」
スティーヴン・オデンダール選手コメント
(決勝レース:16位完走)
「今週はなかなか思いどおりに運ばなくて苦しいセッションが続いたけど、決勝レースはいいリザルトで終えることができたと思う。ラップタイムは安定していて、一時はジョー・ロバーツ選手をオーバーテイクしてルカス・テュロヴィッチ選手に迫ることもできた。レースの途中では他の選手に押し出されて、コースをはみ出してしまったので、ショートカットをするような格好になってしまった。それが原因でロングラップ・ペナルティを科されてしまったのは、残念だね。このペナルティを消化したことで以後は単独走行になり、リズムもうまく掴みきれなかった。16位はいい結果だと思うけど、ポイント圏内が目の前だっただけに、不完全燃焼のレースだったよ」
(Source: NTS)
(Photo courtesy of NTS)