パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムの決勝レース中の転倒で命を落としたカーリン・ダンの事故を受けて、来年はバイクの出場枠を廃止するというアイディアが浮上したが、これに対してカーリン・ダンの母が異を唱えている。

カーリン・ダンの転倒の原因は調査の結果、メカニカルな問題ではなく路面バンプによってハイサイドとなったと公表されている。しかし非常に危険な公道でのレースであるため、走行中のアクシデント、ミスが即事故につながる危険性をはらんでいるため、運営側は来年からバイクの出場枠を無くすことを検討しているわけだ。

カーリンの母 ロミー

「カーリンはパイクスピークを愛していました。あの山が彼を惹きつけていて、何度も何度も彼はあの山で走っていたんです。彼はパイクスピークを畏怖の眼差して見ていたと同時に、あの山を走ることで命を落とす危険性も十分理解していました。彼はあの山によって命を失いましたが、バイクのレースが廃止されてしまったら、彼は悲しむでしょう。

「彼は皆に自分の事故から学んで欲しいはずですし、事故対処チームがしっかりとトレーニングどおりに仕事をすること、そして運営側がさらなる安全策の充実を図ることを望むはずです。私の事故後の気持ちはレース前日の6月29日と変わりません。常に彼が命を失う危険と共にあることは理解していました。私達はこの種のスポーツの両面をしっかりと見るべきです。私は彼、そして彼の夢をサポートしていました。彼は自分が愛することをしていたんです。その他のこの山を愛するライダーの夢を奪うことが誰に出来るでしょうか?

なお、DucatiはWSBKアメリカラウンドで発表した「ドゥカティ・パニガーレV4 25°アニバーサリオ916」のシリアルナンバー5の車両をオークションに出品、収益はカーリン・ダン選手の募金活動に寄付する。