レースをマルケスにリードさせてタイヤを温存したリンス。周回数を間違えていたためマルケスに最終コーナーで仕掛けることを察知されてしまったが、それでもコーナリングスピードを活かした走りでマルケスを仕留めた。バイクの弱点をライディングでカバーした素晴らしい優勝だった。

アレックス・リンス

「序盤にターン1で転倒しそうだったが、タイヤが冷えていたからかなんなのか理由はわかりません。ファビオとマルクがレースでは速い思っていましたので、今日はレース前半で2人について行けば可能性があると思っていました。

「マルクを抜いた後にマルクを先に行かせました。最終セクターはマルケスが速いので、弱みを見せたくなかったんです。最後に再び彼に追いつくことが出来ましたけど、周回を間違えていて最終ラップだと思ってアウトから仕掛けました。」

「今日はマルケス、ファビオのほうが良いペースでしたから、優勝を狙っていたわけではありません。テキサスではバレンティーノとマルケスという速い2人が転倒して優勝しました。今回はマルケスの後ろで良いフィーリングを掴んでいて、最終コーナーでのチャンスに賭けたんです。」

今スズキは非常に優れたベースがあると思います。2回ノーポイントで終わった以外は常に表彰台争いが出来ています。今回の表彰台もありますし、4位、5位も獲得しています。重要なのはコンスタントさです。ここから最終戦まで上位3位で完走したいと思います。」

ホンダと比較すると高速コーナーやシケインではスズキに強みがありますが、最終セクターの最終コーナー以外はマルクのほうが圧倒的に速いと思います。ターン15、16、17の立ち上がりの加速で全く異なります。最終コーナーで大きく接近することが出来ていなければ、マルクはあっという間にいなくなってしまったでしょう。今回はそれに彼の後ろでタイヤを温存出来たことも大きいでしょうね。」

スズキは2016年にこのカテゴリーに復活して、ヤマハ、ホンダといった長年戦っているメーカーに勝利したわけですから当然誇らしいです。後ろを振り返ったのはマーべリックの位置を確認するためで、あのセクターでの走りには自信があったので後ろを振り返る余裕があったんです。」

今日の結果は自分以上にスズキに重要な勝利です。テキサス以降トップとの差は縮まっています。でもやはり優勝するというのは格別で、今回の優勝はスズキのバイクの戦闘力が高いことを証明してくれました。常に改善と開発を続けていくことが重要です。今日はマップ3の表示が最後出ていましたけど、これはパワーを落としてタイヤをセーブするためのマップですが、これがかなり機能しましたね。」