始めからレースをリードしていく戦略だったと語るマルケス。途中リンスを先行させて弱点を探ろうとするも、リンスもスローダウンし、ビニャーレスが追いついてきたために、そのままトップで走る続けることを選んだ。最後の最後でリンスに優勝を譲ったが、昨年苦戦したレースでまたしても2位を獲得。圧倒的な安定感は健在だ。

マルク・マルケス

「チャンピオンシップにおいては良い結果となりました。中盤にタイヤを温存しようと思ってリンスを先に行かせたんですが、リンスはさらにスロットルを閉じたんです。ビニャーレスが後ろから追い上げてくるのがわかっていたのでプッシュし続けました。」 

「残り2周の段階でリンスはどこでアタックするかを見せてくれました。つまり最終コーナーですが、彼のほうがグリップがあり、自分はブレーキングが強力でした。最終コーナーでは自分はさらにインサイドに入ろうと思っていましたが、バイクがスライドを始めてしまったんですよね。

「そこでそのまま進んでレースでの優勝を目指して転倒する危険性を許容するか、スロットルを閉じるかという状況だったんです。リンスは確かに素晴らしい最終ラップでしたが、重要なのは昨年非常に苦戦したトラックで優勝争いが出来たということです。」

今回の戦略はフロントグループを小さく分断することでした。そうすれば失うポイントは少なくて済みます。レースをリードするということは、タイヤ、燃料、体力も使ってしまいますが、一番の目標はチャンピオンシップでのリードを広げることですから、今回のレースには満足です。」

「今回はとにかく序盤からプッシュしてグループを小さくする走りを続けました。結果的には自分とリンスだけが残りました。リンスのほうがタイヤの温存は出来ていましたけど、その中で最後にプッシュして負けたのは仕方ありません。20ポイントをさらに獲得出来たことが重要で、これでリードは78ポイントになりました。」

ドヴィツィオーゾが自分のミスではなくリタイアしてしまったのは残念です。自分はライバルと共にレースをしたいですからね。とにかく激しい転倒だったので、ドヴィツィオーゾの無事を祈っています。」

自分の強みはブレーキングですが、ブレーキを両輪でスライドしながら行うのでタイヤの摩耗が早いんです。それにレースをフロントでリードするとタイヤをかなりプッシュしてしまうんです。これは1台で走るとコーナーの真ん中でよりプッシュする必要があるからです。」

「別のシチュエーションでは後ろでタイヤを温存して、残り5周でアタックをするかもしれません。ただ今回の戦略は序盤からプッシュして、最後にバトルをするというものでした。この戦略ではリアタイヤを摩耗させてしまうことはわかっていました。」

今回はリンスの弱点がわからない状況でのバトルでしたから、彼相手に守りに入るのは非常に難しかったですね。タイヤと燃料を温存するのが難しかったんです。途中リンスを前に行かせようとしてスロットルを閉じました。これで彼の走りを観察しようと思ったんです。」

「でも彼は前に行かず、さらにスロットルを閉じてきたんです。これで互いに1秒以上失ってマーべリックが追いついてきていました。そこでさらに待っていてレースをしても、(3位だったとして)獲得出来て16ポイントですから、逆にプッシュして走ろうと思いました。」

「マーべリックに追いつかれずにリンスとの一騎打ちならば、25ポイントか20ポイント獲得出来ますしね。2016年、2017年はタイヤを温存したアタックする戦略でしたが、今はチャンピオンシップにおいて異なる状況です。タイトル争いという戦いに勝つには、いくつか負けるレースがあっても仕方ないんです。今日は本当にあと少しでしたけどね。」

「確かに負けたのは悔しいです。プレイステーションですら負けるのは嫌なんですから。でもコンスタントさということで考えると、今年の最低の結果でも2位ですからね。それに木曜にも言いましたけど、失うものは何もない状態と、今の自分では取るべき戦略が異なります。

自分の今の目標はレースでの優勝ではなく、チャンピオンシップでの優勝です。どちらかと言うとオーストリアでドヴィツィオーゾに負けたほうがポイントを失ったという意味で嫌な負け方でしたね。」

「自分はレースではパワー、エンジンブレーキ、トルクなどを細かく調整して、常に最適な状態で走っています。ただ、今回はすぐにフルパワーのマップにしました。これは序盤から逃げる戦略をとっていたためです。序盤に1秒差が出来れば、逃げ切ることが出来ると思っていましたから。」

(Source: HRC)

(Photo courtesy of michelin)