・Ducatiの2020年ラインナップでは3台の新型車が登場。
・3台はストリートファイターV4、パニガーレV2、パニガーレV4。
・数万人がライブストリーミングで同イベントを視聴した。
10月23日、イタリアのリミニにおいて、Ducatiは2019年のEICMAに先立ち2020年のラインナップとしてモーターサイクルとEバイクを公開した。DucatiワールドプレミアはDucatiのディーラーにとっても非常に重要なイベントで、数千人もの参加者が71を超える国から参加。イベントはライブストリーミングもされ、Ducati CEOのクラウディオ・ドメニカリがプレゼンテーションを行った。
2020年モデルの内訳としては、Diavel、Ducatiスクランブラーは新色が追加となり、ムルティストラーダ1260Sはグランドツアラーが登場。3台の新型バイクは、スーパークアドロVツインエンジンを搭載したパニガーレV2、扱いが容易、安定性性能を発揮するようになった新型のパニガーレV4。
なお、パニガーレV4は一般ライダーにも扱いやすくするということがテーマだったようで、結果的にドライバビリティーが向上。テスト・ライダーのミケーレ・ピッロが古スタンダードの車体に、レース用エキゾーストとスリックタイヤを履いて走行したところ、現行型のスーパーバイク車両がバレンシアで記録したタイムを3秒上回ったほどのスピードを発揮したという。
そして多くの注目が集まっていたのがストリートファイターV4で、エンジンには1,103ccのデスモセディチ・ストラダーレエンジンを搭載。パニガーレV4同様の最新の電制を搭載している。乾燥重量は178kgで、最高出力208馬力を12,750回転で発生する。
Eバイクに関しては50台限定のMIG-RRリミテッド・エディションが登場。オーリンズサスペンション、カーボンリム、エレクトリックギアボックスを装備し、デザインはアルド・ドルディのD-Perfが手掛けたものだ。また、スポーティーなマウンテンバイクとしてMIG-Sが新登場した。さらにEスクランブラーというトレッキングバイクも登場。
パニガーレV2
新型の2気筒パニガーレで、995ccのスーパークアドロエンジンを採用し、最大出力155馬力を10,750回転で発生。最大トルクは104 Nmを9,000回転で発生。なおエンジンはEuro5に適合している。モノコックフレームを覆うのは新たにデザインされたカウルで、コンパクトに仕上がっている。スイングアームは片持ち式で、エキゾーストはコンパクトにエンジンの下にまとまっている。
パニガーレV4
2020年型はユーザーフレンドリーなバイクを目指して開発された。ライダーフレンドリーとなることで、1周のタイムではなくレース全体でスピードを発揮出来るようになっている。世界中のユーザーの声を広い、WSBKからのフィードバックを得たことで、エアロダイナミクス、シャーシ、電制、ライド・バイ・ワイヤのマッピングを変更。安定性がアップ、ターンインのスピードが向上している。
V4はV4Rからウイングレット、スクリーン、ノーズフェアリング、大型フェアリングなどを受け継いでおり、エアフローが向上し安定性も改善している。フレームはフロント側がモディファイされ、剛性を調整されたことでフロントエンドのフィーリングが改善し、さらに深いリーンアングルでの安定性が向上。新しくなったトラクションコントロールの他、Ducatiクイックシフト EVO2でシフトアップの時間がさらに短縮され、10,000回転以上でのギアシフトが可能となっている。
エンジンはMotoGP直径の1,103ccのデスモセディチ・スタラダーレエンジンだ。逆回転クランクシャフトを採用し、ツインパルスファイアリングオーダーを採用する唯一無二のエンジンだ。エンジン出力は13,000回転で214馬力を発生。最大トルクは10,000回転で12.6Kgmとなる
ストリートファイターV4
パニガーレV4をベースとしたストリートファイターで乾燥重量は僅かに178kg。エンジンは1,103ccのデスモセディチ・スタラダーレエンジン。208馬力のエンジンに複葉のウイングレットを装備する。最新の電制システムを装備し、目を引くデザインに仕上がっている。
ライトはフルLEDで、V型のデイタイムランニングライトはパニガーレV4を連想さえるデザインでストリートファイターV4の特性をよく表している。ストリートファイターV4ではフロントフレームとデスモセディチ・スタラダーレエンジンが主役と言える。
クラス最強のパワフルなエンジンであるが、電制によってライダーは自信を持ってコントロールが可能だ。パワーウェイトレシオは驚愕の1.17で、Ducatiパフォーマンスのアクラボヴィッチエキゾーストを装着すると、その出力は220馬力にまで向上し、車重も6kg軽量化される。
複葉のウイングレットは270km/hで28kgものダウンフォースを発生。高速でフロントホイールが浮き上がったり、ウイリーの発生を防ぐ。同時にブレーキングとターンインでの安定感を高めるのにも役立っている。ストリートでは安心感に繋がり、トラックでは電制制御の介入を最小限にし、レイトブレーキングを可能とする。
Ducatiの2020年モデル
新型モデル
Streetfighter V4 / S
Panigale V2
Panigale V4 / S
リニューアル
Multistrada 1260 S Grand Tour
Diavel 1260 S “Ducati Red”
Diavel 1260 “Dark Stealth”
Scrambler Icon Dark
Monster 1200 “Black on Black”
Eバイク
Ducati MIG-RR Limited Edition
Ducati MIG-S
E-Scrambler
(Source: Ducati)
(Photo courtesy of Ducati)