マルク・マルケス「2019年はチャンピオンであるロレンソにふさわしい1年ではなかった」

ホルへ・ロレンソ

ホルへ・ロレンソはそのデビューから常に強烈な存在感を放ってきたライダーだ。”バターのように滑らか”と表現された特徴的な美しいライディングスタイル、ゾーンに入った時の圧巻の走り、強固な意思と絶対的な自信、優勝後のサーキットを沸かせるパフォーマンスは、ファンからすると唯一無二の存在。アンチからすると鼻持ちならない生意気なライダーとして映った。

バレンティーノ・ロッシに変わりがいないのと同様、ホルへ・ロレンソのようなライダーはもう現れないだろうが、バレンシアGPにおいて、チームメイトのマルク・マルケス、ヤマハで9年間過ごしたリン・ジャービス、ヤマハ時代にロッシ側から見ていたダヴィデ・ブリビオ、2年間タイトル獲得を夢見て共に戦ったパオロ・チャバッティがロレンソについて語る。

2019年はホルへにふさわしくないシーズンだった

マルク・マルケス

「ホルへ・ロレンソについて自分が覚えているのは、皆さんがホルへ・ロレンソといって思い出すのと同じ、5度の世界チャンピオンのライダーです。最後になってホルヘと共にチームチャンピオンシップ優勝を祝福出来たのは嬉しかったですね。」
ホルへ・ロレンソ「ホルヘは2019年に本当に苦戦しましたが、引退の年にこんなシーズンを送るなんて、彼の素晴らしいキャリア、彼がモータサイクルレースにもたらしてくれた事からするとふさわしくありませんし残念です。

「バレンシアでは個人的に優勝、チームチャンピオンシップを獲得しましたが、全てのレプソル・ホンダチームのクルーが素晴らしい働きをしてくれました。そして最高の形でホルヘに感謝と別れを告げることが出来たと思います。
ホルへ・ロレンソ

ヤマハに3つのタイトルをもたらしてくれた

リン・ジャービス

ホルへ・ロレンソとはヤマハで9年間を共にしました。当時実に若いライダーで才能に溢れ、デビューから3連続ポールポジションを獲得し、3戦目で優勝しました。

「結果的にヤマハには3つのタイトルをもたらしてくれたライダーでしたね。ホルヘの引退の挨拶は素晴らしいもので、人として成熟した姿を見せてくれましたし、そこに出席したチーム、ライダーの顔を見ても彼の影響力の大きさが伺えました。」
ホルへ・ロレンソホルへ・ロレンソ

ホルヘは素晴らしい人物で、大きなハートの持ち主

パオロ・チャバッティ

「2年間ホルへ・ロレンソと共に戦いましたが、Ducatiは彼にタイトル獲得の望みを託していました。しかし2017年はドヴィツィオーゾが6勝し、最終戦までマルケスに挑みました。対象的にホルヘは苦戦していましたが、彼はけして自信を失わず、バイクの改善にずっと取り組んでいました。
ホルへ・ロレンソ
「彼は全ての事に対して正確で、明確で厳しい意見を持っていましたので、エンジニアも日夜苦労しました。しかし彼は自分のスタイルに近いバイクを手にすると、翌年ホンダへの移籍を決めていたという皮肉なタイミングから勝ち始め、ムジェロでは素晴らしいレースを展開して優勝、バルセロナ、オーストリアでも優勝しました。」

「ホルへはパドック内では色々と語られることがある選手ではありましたが、素晴らしい人物ですし、大きなハートの持ち主でしたね。ホルへ・ロレンソホルへ・ロレンソ
ホルへ・ロレンソ
ホルへ・ロレンソ

先行逃げ切りスタイルの元祖、このスポーツに多くのことを残してくれた

ダヴィデ・ブリビオ

「私がヤマハにいた時、ホルへはチームメイトというよりライバルという存在でした。彼はデビューの時からものすごいスピードを発揮し、3連続ポール、3戦目で優勝を達成しました。バレンティーノとの衝突は激しいもので、こうした厳しさ、レースで負けるたびに彼は学習していったんだと思います。こうしたタフさがあったからこそ、彼は上を目指すことが出来たんでしょう。

「そして、彼は先行逃げ切り型の元祖と言える存在でもあります。それまでは誰もスタートから飛ばして、2位の選手に1秒以上の差を作って逃げ続けるなんて事は出来ませんでした。ホルへはこのスポーツに多くのことを残してくれましたね。
ホルへ・ロレンソホルへ・ロレンソ

(Photo courtesy of michelin)