BMW Motorrad Concept R 18に搭載された“Big Boxer”の詳細を公開

BMWモトラッド Concept R 18に搭載の”Big Boxer”

BMWモトラッドは2019年5月にConcorso d’Eleganza Villa d’Esteにおいてコンセプトモデルとして登場させたConcept R 18のエンジン”Big Boxer”の詳細を発表した。Concept R 18はエンジンありきでスタートしたコンセプトモデルで、2018年12月に日本のCUSTOM WORKS ZONがこのエンジンを使用して”The Departed”を発表、その後アメリカはテキサス周オースティンのカスタムショップRevival Cyclesが”Birdcage”を発表、そして今年11月にEICMAでBMWモトラッドがConcept R 18 /2 を公表している。


BMWモトラッド Concept R 18に搭載の”Big Boxer”

BMWモトラッド史上 最大排気量のボクサーエンジン

”Big Boxer”は完全新設計の2気筒エンジンで、過去70年においてBMWモトラッド史上最大排気用のボクサーエンジンだ。ボクサーエンジンはBMWが1923年から製造を続け、現代の空油冷エンジンまで連綿と続くエンジンで、洗練されたデザイン、信頼性、メンテナンス性に優れる、日本をはじめ世界中にファンを持つエンジンとして知られる。

Concept R 18に搭載された”Big Boxer”エンジンの排気量は1,802ccで、ボアサイズは107.1mmとなり、100mmのストロークを持つ。エンジンは最高出力91馬力を4,750回転で発揮する。最大トルクは3.,000回転で158 Nmとなり、低回転から強力なトルクを発生する。

BMWモトラッド Concept R 18に搭載の”Big Boxer”

冷却方式には空油冷方式を採用

エンジンの冷却方式には空油冷を採用。シリンダーには冷却用のリブが設けられ、垂直に分割されるエンジンハウジングはアルミニウム製となる。なお、ギアボックスとインテークシステムを加えたエンジンの総重量は110.8kgとなる。

クラシックな空冷2気筒ボクサーエンジンと異なり、 “Big Boxer” のクランクシャフトは熱調質鋼を使用したもの(焼入れや焼き戻しで靱性などを向上させている)となっており、センターに1つ多くメインベアリングを使用している。これはエンジンのシリンダー容量が大きいために、クランクシャフトの望ましくない振動を抑えるために必要なもの。同様に2本のコネクティングロッドも熱調質鋼を使用。アルミニウム製のピストンは鋳造で、シリンダー表面にはニカシル(NiCaSil)コートが施される。

BMWモトラッド Concept R 18に搭載の”Big Boxer”

R 5/R 51、R 51/2にインスパイアされ2本のカムシャフトを搭載

“Big Boxer”はOHV、バルブ数は4バルブ、デュアルイグニッション方式を採用。2つのカムシャフトがスリーブタイプのチェーンを介してクランクシャフトによって駆動されるという点でユニークなエンジンだ。これはBMWモトラッドの歴史においても特別なエンジンであるR 5/R 51、R 51/2のエンジンにインスパイアされたもの。

2本のカムシャフトはクランクシャフト上部の左右に位置するが、2本のカムシャフトを採用する“Big Boxer” のメリットとしては、プッシュロッドが短くて済むことで、これによってエンジン内部で移動する部品質量が抑えらえ、正確なコントロール、高速での安定性が得られる。

バルブクリアランスはマニュアルで調整可能な他、2本のプッシュロッドが、給排気1本づつのプッシュロッドを稼働させ、シリンダーのトップに位置する密閉型のプッシュロッドチューブに続く。シリンダーヘッドにある2つの吸気、排気バルブの駆動はフォークトグルレバーが担う。

BMWモトラッドのボクサーエンジンの伝統と同じく、シングルのドライクラッチがエンジンで生み出されたトルクをトランスミッションにへと伝える。またBMWモトラッドとして初めてとなるアンチホッピングクラッチが、急激な減速時のリアホッピングを防ぐ。

ボクサーエンジンを搭載するBWMの伝統に則り、トルクはユニバーサルジョイント、プロペラシャフトを介してホイールへと伝達される。なお、ユニバーサルジョイント、プロペラシャフトは1955年モデルまでのBMWのバイク同様にニッケルメッキが施されている。

BMWモトラッド Concept R 18に搭載の”Big Boxer”

製品版への搭載に期待

Concept R 18に搭載された“Big Boxer”はあくまでもコンセプトモデル用のエンジンではあるが、高い完成度を誇るエンジンだけに、今後2021年に登場する何らかの市販モデルに搭載されて登場する可能性がないわけではない。今後に期待したいところだ。

(Source: BMW)

(Photo courtesy of BMW)