チーム・スズキエクスター(Team SUZUKI ECSTAR)のテクニカルマネージャーである河内氏は、今シーズンを振り返って10点満点中8点のシーズンだったと語る。2020年はホンダ、Ducati、そしてヤマハにさらに接近したレースを期待したい。

10点満点で8点のシーズンだった

河内健

「2019年は満足いく1年でした。シーズン開幕前に少なくとも1勝することを目標にしていたんです。そうした中でオースティンでの1勝が思いがけず早いタイミングで訪れました。ヘレスでは表彰台、シルバーストーンで2勝目を達成しました。」

「その後も表彰台に近い位置でレースが出来ましたが、イギリス以降はライバルが改善するにつれて苦戦しました。今シーズンは10点満点で8点というシーズンでした。しかし来年はコンスタントさを改善して、全てのレースで表彰台を狙っていく必要があります。」

「来シーズンに向けて今年行ったテストで重要だったのは、新しいエンジンスペックをテストし、その性能と方向性を確認するというものでした。エンジンがバイクの核となる部分ですから、シャーシ、フェアリング、その他のアイテムはエンジンの後に開発し仕様を決定します。」

「既にシルヴァン・ギュントーリが新しいエンジンをテストしていますが最終的にはレースに参戦するライダー2人が評価を行う必要があります。今回のテストでリンスとミルのエンジンに対する反応は悪くありませんでしたから、スタート地点としては良いでしょう。あとはセパンに向けて電子制御周りの開発を進め、シャーシ、フェアリングに関して新しいものを投入したいと思っています。」

「現在のスズキのベースは非常に高いレベルにありますが、それでもトラックレイアウトや気候に左右されるケースがあります。競争力という点ではライバルに非常に接近していると思います。しかしライバルはレイアウトや気候にそこまで左右されていないと感じています。」
ジョアン・ミル

2020年に向けて懸命に作業が必要

「現在のライダーラインナップに関しては十分満足していますアレックス・リンスは表彰台を何度も獲得し、トップライダーの1人とみなされています。ジョアン・ミルは今年大きく成長し、ポテンシャルの片鱗を覗かせています。」

「チームも一体感を持って作業していますし、今年のチームの働きに感謝を述べたいと思っています。2020年はライバルがさらに強力になるでしょうから、冬の間に開幕戦カタールに向けて懸命に作業を行う必要があります。」

(Source: suzuki-racing)

(Photo courtesy of michelin)