ダカール・ラリーで18連覇のレッドブルKTM ファクトリーレーシングチームを破ることが至上命題であるモンスターエナジーホンダチームのジェネラルマネージャー ルーベン・ファリアは、1月5日から開始となるダカール・ラリーに向けてライダー体制、チーム体制について語っている。

今年のダカールでチームに期待すること

モンスターエナジーホンダチーム・ジェネラルマネージャー ルーベン・ファリア

「モンスターエナジーホンダチームの皆が懸命に作業を進め、5人のライダー全員が2020年のダカールでベストを尽くせるようにしてきました。テストを重ね、日本でも数多くのスタッフが作業を進めてきました。ライダー、スタッフの全てが立ち止まる事なく作業を進めてきたんです。フィジカル面においても誰も怪我をしていませんし、今年はベストな形でレースに挑むことが出来ていると言えるでしょう。ケヴィンもモロッコでの怪我から回復しています。バイクもまた、サウジアラビアでの挑戦に備えて準備が出来ています。今年は完全に新しいフォーマットでのダカールとなります。毎日新たな発見があるでしょう。」

ダカール・ラリー2020は選手、チームにとって未知のレースとなる

「選手にとって新しい国、新しい大陸でのレースですから、今年のダカールは何もかもが新しいレースです。A.S.O.(Amaury Sport Organizationの略 ダカール・ラリーの主催者)がサウジアラビアでのレースに関する情報を何らか提供してくれるまで、全く情報はありませんでした。ここ最近はダカールに向けてあらゆる準備を進めてきましたので非常に忙しかったですね。」

2020年のロードブックはシンボルがカラー印刷となり、少なくとも4つのステージでは、SS区間走行前にロードブックが配布される

「新しいルールは他のチームにも影響を与えることになります。実際にどのようなレースになるかわかりませんが、その中で自分達がしっかりと対応出来るかを見ていく形になるでしょう。いずれにしても最大限新しいルールに適合していくこととなります。レース日程は長いですから、ある程度の幸運は必要です。懸命に作業することで、運に頼らないようにしたいですけどね。」

完走出来ればバレダには表彰台の可能性がある

「ホアン・バレダは非常に優れたライダーです。彼はキャリアを通じてスピードを証明してきましたし、現在のチームラインナップの中では最多ステージ優勝を遂げています。今年は彼にとって7度目のダカールですが、現在までに総合優勝の経験はありません。彼は常に総合優勝を目指して戦っています。彼はとても落ち着いていて、昨年はチームとして彼にあまりプレッシャーを与えずに済んだと思います。昨シーズンを終えて彼は良い状態にありますし、完走出来れば表彰台を狙えるでしょう。」

過去2大会でホンダベストライダーであったケヴィン・ベナバイズ

「過去2大会でケヴィンは我々のベストライダーでした。昨年は問題を抱えながらも5位で完走しましたね。現在はモロッコで負った怪我から回復をしていますが、彼は私が非常に信頼するライダーで、何も問題が起きなければ表彰台を狙えるはずです。彼自信も現在良い状態にありますから、2020年は素晴らしい結果を期待しているはずです。」

昨年途中まで首位で走行したリッキー・ブラバック

「リッキーは昨年トラブルに見舞われるまでは1位で走行していました。それまでは7分のリードで首位に立っていたんです。昨年のレースでは優勝出来る実力の持ち主であることを証明してくれましたが、2020年もその実力を発揮してくれるでしょう。KTMのマティアス・ウォークナーは、レース後にリッキーを追うのは非常にタフだったと私に語ってくれました。」

元ダカールライダーであることが助けになることがある

「今までは自分もライダーとしてダカールに参戦していましたから、それがジェネラルマネージャーである上である程度役に立つでしょう。ライダーが必要としていることもわかりますが、時にはその要求に全て応えるのは難しいこともあります。チームとしてベストを尽くしますよ。」

多国籍の30名以上のチームを纏めるのは簡単ではない

「多国籍の30人を超えるメンバーがいるチームを纏めるのは簡単ではありません。異なる分化がありますし、彼らの全てのニーズを満たす必要があるんです。大事なことは現場にいることで、レース3日前の段階で全ての準備が整っています。チームがしっかりと機能するように、必要なツールを皆に与えることが重要です。今年のダカールではチームの素晴らしい作業に見合った満足いく結果を最後に得られることを願っています。」

(Source: HRC)

(Photo courtesy of michelin)