MIE Racing Althea Hondaチームと高橋巧にとって、初のFIM スーパーバイク世界選手権(SBK)となったフィリップアイランド戦は実に厳しい1戦となった。高橋はレース1をマシントラブルでリタイア、スーパーポールレースではアルヴァロ・バウティスタ、カリカスロの転倒で14位となるも、その後転倒したカリカスロに抜き返されて15位でレースを終えた。レース2も5周を走った段階でマシントラブルによるリタイアとなった。
MIE Racing Althea Hondaチームとして新型CBRを使用しての初シーズン、ライダーの高橋自身もSBK初参戦、全く知らないコースでの参戦となったが、3レースのうち2レースをマシントラブルによるリタイア、完走した10周のスプリントレースであるスーパーポールレースでは、優勝したジョナサン・レイと36秒.341という差(単純計算で優勝したレイとの1周あたりのタイム差は3.63秒)となった。
開幕戦フィリップアイランドのレースウィークの月曜、火曜に行われたテストが、高橋が初めて新型CBRに乗る機会であった事から、チームとしての準備が遅れていることは容易に想像がついたが、時間が取れない高橋のマシンに対する習熟度が低いこと、未知のコースでの苦戦、そして何よりもバイクの信頼性が低いことが致命的だ。
同じ新型CBRでもしっかりと結果を出してきたHRCと比べるのは酷だが、MIE Racing Althea Hondaチームとしても、全日本トップ選手だった高橋に、こんな走りをさせるためにチームに引き込んだわけではないはずだ。
新型コロナウイルスの影響で第2戦のカタールGPが延期、再スケジュールとなることが発表されているが、今月27日から開催の第3戦スペイン戦は今のところ予定どおり開催されるようだ。これを好機と捉え、MIE Racing Althea Hondaチームはバイクの開発、チームの総合力の引き上げを必死に進めることが必要だ。
高橋巧
「このトラックは学習が難しいトラックでしたが、バイクに関してはスプリントレースからレース2の間にフィーリングが少し改善しています。今週は様々な問題が起きて作業スピードが遅くなりましたが、これは自分の経験が限られていること、新しいプロジェクトであることを考えると不思議ではないでしょう。いずれにせよ、チームとして作業をすることで前進し経験を増しています。今回学習したことを活かして次のラウンドに活かしていきたいと思います。」
(Source: MIE)
(Photo courtesy of MIE)