酷暑のコンディションと格闘 ラフィンは21位完走、ベンスナイダーは転倒リタイア
19日(日)午後12時20分(日本時間午後7時20分)にスタートしたMoto2クラスの決勝レースは、夏の強い日射しが照りつけるなか、厳しい路面コンディションとも戦うことを強いられる展開になりました。NTS RW Racing GPのジェスコ・ラフィンとボ・ベンスナイダーは全力でこの厳しいレースに挑みましたが、ベンスナイダーは残念ながら7周目に転倒。ラフィンは最後まで走り抜いて、21位のチェッカーフラッグを受けました。
例年は5月上旬にレースを行うスペインGPの開催地、ヘレスサーキットはスペイン南部のアンダルシア地方に位置しています。温暖な気候が特徴であることから、Moto2クラスは冬期のシーズンオフテストをここで実施することが恒例になっています。しかし、冬に温暖なその気候は、夏になれば当然ながら厳しさを増すことになります。
NTSはプレシーズンに当地で豊富なテストを実施していますが、このような酷暑の時期に走行したことはなく、データも充分には蓄えていないのが実情です。このような条件下にも対応できるパーツの開発を日本側では着実に進めてきましたが、新型コロナウイルス感染症の蔓延を考慮し、レース条件をチーム間で統一するための対応として、現在は斬新なアップデートを行うことが禁止されています。
そのために、チームは現状のパッケージで最善の対策を施して日曜のレースに臨みました。ベンスナイダーとラフィンは、それぞれ22番グリッドと29番グリッドからレースをスタート。周回ごとに前をゆく選手たちをオーバテイクして前へ出る作戦でしたが、週末を通してフロントに課題を抱えていたベンスナイダーは、フルタンク状態のレース序盤に思ったようなポジションアップを達成できませんでした。
後方集団に呑み込まれながら奮闘を続けていた7周目の9コーナーで、フロントからの転倒を喫し、残念ながらリタイアとなってしまいました。一方、ラフィンは最後まで全力を尽くして走り抜いて、21位でゴール。貴重なデータをチームに持ち帰ることに成功しました。今回の結果を糧にして、NTSの両雄は次戦で雪辱を期すべく、強い決意を固めています。第3戦アンダルシアGPは、今回と同じくヘレスサーキットで開催。7月24日(金)午前にフリー走行が再び開催されます。
ボ・ベンスナイダー選手(ゼッケン64)
(決勝レース:リタイア)
「今回のレースウィークは、フロントのフィーリングを改善できなかったことが敗因になった。前のグループに食い込もうとがんばったけれども、充分なスピードを発揮できなかったんだ。それでもがんばって追いかけている最中に、9コーナーでフロントが切れ込んでしまった。この厳しい週末を良い結果で締めくくれなかったことが、なにより残念だ。来週もここでレースがあるので、雪辱を果たしてみせるよ」
ジェスコ・ラフィン選手(ゼッケン2)
(決勝レース:21位完走)
「厳しいレース結果だったけれども、データをたくさん収集できたのはポジティブだった。この収穫を来週のレースに活かしたい。決勝レースは期待していたようなリザルトではなかったにせよ、テストやフリープラクティスよりも意義のあるデータをたくさん収集できた。次回は、金曜の走り出しから調子良く進めることができるように、思い切った変更を施してみるつもりだ。数日間休んで頭を切り替え、リフレッシュしてから、第3戦に向けて高い意欲で挑むよ」
(Source: NTS)
(Photo courtesy of NTS)