17名のFIM スーパーバイク世界選手権(SBK)ライダー達と密接に作業をしているブレンボの技術者たちによると、アラゴンはブレーキに非常に厳しいサーキットです。難易度指数1〜5段階では4に該当し、ヘレスと同程度となります。
トラックはMotoGPでも使用されていますが、スーパーバイクのトップスピードが25km/hほど遅いことから、スーパーバイクのラップタイムは約2.4秒遅いタイムとなります。トラックの序盤はコーナーが連続することから、スチールディスクを使用するスーパーバイク、カーボンブレーキを使用するMotoGPバイクのブレーキディスクには冷却面で厳しいセクションとなります。
ブレンボのサムブレーキのバリエーション
現在WSBKライダーの50%がサムブレーキを使用しています。このサムブレーキ2つのラインがあり、サムブレーキ、フットブレーキからのラインがマスターシリンダーに接続されていることから、両方の操作系統でブレーキングが可能なものとなります。つまり、サムブレーキ、フットペダルを同時に使用することが可能なのです。
2020年にブレンボはプッシュ型&プル型のレバーをリリース。これは親指、もしくは人差し指で操作が可能です。人指し指で操作する場合、親指で操作する場合と比較して180°逆の位置で取り付けられ、人差し指での操作が可能となります。この場合は調整可能範囲が増えることに加えて、減速時にグリップをしっかりとホールドすることが可能です。
FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)第4戦におけるブレーキ
MotoGP同様にライダー達は11箇所でブレーキを使用します。しかしMotoGPと比較するとトップスピードが低いため、ライダーがブレーキを使用する時間は1周ごとに31秒となり、MotoGPバイクの33秒より少なくなっています。
しかし、スーパーバイクは1周ごとにブレーキレバーにかかる負荷は41.4kgとMotoGPバイクの40.4kgより大きくなります。スーパーバイクのブレーキシステムが受ける負荷は11barを超えることはありませんが、5箇所のブレーキングポイントでは10barを下回ることはありません。
なお、MotoGPバイクの場合、同箇所でのブレーキングポイントにおけるブレーキシステムの圧力は12.9barに到達します。しかし、10barを超えるのはいくつかのブレーキングセクションにおいてのみです。
(Source: Brembo)
(Photo courtesy of Brembo)