今年はマルク・マルケス不在の中、ホンダを牽引したと言っても過言では無い活躍を見せた中上 貴晶。今年を最後に現役を引退するチームメイトのカル・クラッチローに対しては、感謝してもしきれないと語る。Moto2からのステップアップにあたり、様々な面でサポートしてくれたカルに感謝の思いを語る。
中上 貴晶

カル・クラッチローと3年間チームメイトだったことは大きな喜び

中上 貴晶

「カルがホンダを去ってヤマハに行ってテストライダーになってしまうのは少し悲しいですが、カルの未来に幸あれと思っています。過去3年間にわたりカルのチームメイトだった事は大きな喜びです。」

Moto2からMotoGPにステップアップするにあたり、カルは本当にいろいろな面で助けてくれました。テスト、セッションの中で何度も後ろを走らせてもらいました。今までこれほどに自分のことを助けてくれたチームメメイトはいません。MotoGPにうまく適応できているか常に気にかけてくれていましたし、自分がどのようなフィーリングを感じているか常に気にしてくれました。」

「カルは今までホンダやヤマハ、Ducatiのバイクに乗っていますから、ホンダのバイクをどのように扱えば良いか熟知しています。”ホンダのバイクではこういう操作をした方が良い”、”ホンダのバイクではこれをやらないとダメだ”と言う点を教えてくれました。」
カル・クラッチロー

カルが助けてくれなければ、苦戦を続けていたはず

「映像で見るとカルのライティングはアグレッシブに見えるかもしれませんが、実際は非常に繊細なライダーなんです。カルはホンダのバイクで最もバランスの良い選手だと言えると思います。スピードもありますし、ブレーキングも強い。そして立ち上がりが非常に強力です。いつもカルのデータを見てどうやってバイクを起こしているか真似しようとしていました。

「今年、カルは少し苦戦していましたが、自分より1秒遅かったとしても、どこかしらのコーナー、特に立ち上がりにおいてはカルの方が速いことがあって、カルのライディングスタイルをコピーしようと努力していましたし、実際それが役に立ちました。

「そして、カルのスタイルを真似てきたからこそ、こうしてカルと戦えるようになったんです。1年目は無理な話でしたが、2年目、そして今年1年は、カルと戦い、勝つことができています。カルのアドバイスのおかげでここまで成長できたんです。カルが助けてくれなければ、苦戦をひたすらに続けていたでしょうね。」
中上 貴晶
(Source: HRC)

(Photo courtesy of michelin)