世界耐久選手権(EWC)第3戦、ボルドール24時間レースにおいて、ヨシムラSERTモチュールが優勝し、同時にチャンピオンシップ首位の座を奪還した。ポールリカール・サーキットで開催された第84回ボルドール24時間レースでは、ヨシムラSERTモチュールが予選で圧倒的な強さを見せ、ラップレコードを更新、24時間のレースの大半をリードして見事優勝している。
スターティングライダーであるグレッグ・ブラックは、GSX-R1000Rでホールショットを奪い、序盤はEWCトップチームであるライバルを含んだ3チームによるバトルが繰り広げられた。夜になると雨が降り出すなど天候が悪化、深夜にシメオンが転倒するも、チームはすぐにマシンを修復。レースへの復帰後、チームは再びトップに立ち、その差を時間ごとに広げていった。
最終的にヨシムラSERTモチュールGSX-R1000Rはライバルに19周の差をつけてゴール。ポールポジション、8時間と16時間時点のトップ、そして優勝したことで、チームは今大会最大の65ポイントを獲得。この大量得点で、来月開催されるモストでの1戦を残して合計141ポイントを獲得、チャンピオンシップのトップに立っている。
チーム監督 ダミアン・ソルニエ
「今回のレースで優勝、多くのポイントを獲得できたことを誇りに思っています。しかしピットで見ている側としては、レースはとても難しく、とても長いと感じました。選手たちも同じだったと思いますが、ライバルとの差がどんどん開いていき、状況についていくのが心理的に大変でした。私にとっては忘れられないレースになりました。」
「この勝利はシーズン終盤に向けての安心感となりますが、今はまだ安心出来ません。モストでのレースも未知のサーキットでの難しいものになるでしょう。ポイントを獲得するのは難しいものですが、失うのは簡単ですから、慎重に、そして集中して臨まなければならないでしょう。」
チーム監督 加藤陽平
「すべてがうまくいったと思います。今回も優勝出来てとても嬉しいですが、トラブルに見舞われたライバルのことを思うと残念でなりません。今回のレースは非常に難しく、自分たちができることに集中しなければなりませんでした。チームのみんなに感謝しています。彼らのサポートがなければ何もできなかったでしょう。」
グレッグ・ブラック
「ボルドールでの2連勝ですが、前回は天候の影響で短縮されたレースでした。今年のレースはより難しく、精神的にも疲れました。チャンピオンシップでは後方からのスタートだったので、貴重なポイントを獲得するためにポールポジションを獲得することが第一の目標でした。」
「ヨシムラとチームは、そのためにあらゆる努力をしました。決勝ではコンスタントな走りに集中しなければなりませんでしたが、それができたからこそ、勝てたのだと思いますね。」
グザビエ・シメオン
「最初のスティントはとても良かったですね。夜は雨が降って少し怖い思いをしましたけど、すべてがうまくいきました。最初から、レースでの目標ラップタイムを設定していましたが、このタイムをしっかりと守って走行していました。このタイムに沿って走っていけば優勝争いが出来ると思っていましたが、まさにそのとおりになりましたね。」
シルバン・ギュントーリ
「長尺のレースでしたが、今回のレースはミスをしないようにリードを管理しなければならなかったのでさらに長く感じました。後方にいるときはとにかくアタックをするしかありません。このボルドールの勝利は見かけほど簡単なものではありませんでした。レースの中には常にある程度のチャンスがありますが、今回のレースは本当にすべてのポイントを手にすることができました。」
「我々ライダーは速く安定していますし、バイクは素晴らしいポテンシャルを持っています。ヨシムラとSERTは、私のキャリアの中でも最高のチームの一つですね。耐久レースの新参者である私にとって、1年目でボルドールとル・マン24時間レースを制覇することが出来たのは素晴らしいことです。」