ドゥカティ・デザートX(DesertX)一切の制限なくアドベンチャーのスリルを高めるために誕生したモーターサイクル
- 21インチのフロントホイールと18インチのリアホイール、長いサスペンション・トラベル、十分な最低地上高を組み合わせることにより、最も過酷なオフロードでも走行できるように設計
- テスタストレッタ11°エンジンを搭載した新型デザートXは、優れたエルゴノミクス、高度なエアロダイナミクス、最新世代のテクノロジーにより、さまざまな旅の状況で、快適で扱いやすく、安全なライディングを実現
- 新型ドゥカティ・デザートXは、ドゥカティ・ワールド・プレミア2022のエピソード6で世界初公開
ドゥカティ・ワールド・プレミア2022のエピソード6で、新型デザートXが世界中のモータサーサイクル・ファンに向けて公開された。新型デザートXは、ドゥカティ・モーターサイクルの境界を押し広げる本格的なオフロード・バイク。砂漠の砂丘、狭いオフロードの小道、砂利道、そして山岳地帯のワインディングロード。デザートXとなら、限界を超えた夢の旅に出かけることができる。
デザートXプロジェクト
21インチのフロントホイールと18インチのリアホイールを組み合わせたデザートXは、最も過酷なオフロードでも走行できるように設計されている。ドゥカティが培ってきたノウハウを惜しみなく投入し、オフロード走行に焦点を当てて開発されたこのバイクは、優れたレスポンス、扱い易さにより、どのようなルートやアスファルトでも安心して走行することが可能。
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デザートXプロジェクトは、2019年に同じ名称のコンセプトバイクをドゥカティが発表したときからスタートした。このコンセプトバイクは、世界中のモーターサイクル・ファンに大きな反響を呼び起こし、このようなファンの声に応えるため、このコンセプトバイクをヒントに、機能的で優れた性能を備えた軽快な量産モーターサイクルを開発するという決定を下したわけだ。
スタイル
デザートXは、バイクの本質とオフロード走行で必要な堅牢性に焦点を当てて、ドゥカティ・スタイル・センターによってデザインされた。そのスタイルは、80年代のエンデューロ・バイクを現代的に解釈したもの。このモーターサイクルのデザインは、3つの要素から構成されている。
それらの要素とは、燃料タンクとサイドシールドを含むボリューム感溢れるフロントエリア、シート、そしてバイクの個性をさらに強調する独特のダブルヘッドライトを備えたウィンドシールドだ。このシンプルな構成は、各エリア間でブラックとホワイトのカラーを交互に配することで強調されている。ライダーと接触する表面は広く、互いに滑らかにつながっているため、動きやすく、オフロード走行をより適切にサポートする。
専用設計のシャーシ、サスペンション
新型ドゥカティ・デザートXのシャシは、新しいスチール製トレリスフレームで構成されている。このモデル専用に設定されたロングトラベル・サスペンションを組み合わせることにより、もっとも過酷なオフロードでも走破することが可能。すべてのコンポーネントを最適化することにより、乾燥重量202kgの軽快なモーターサイクルが誕生した。
シャシを適切に構成したことにより、デザートXは乗りやすく、あらゆる路面で優れたフィーリングと安全性を提供。さらに、新型デザートXは、起伏の激しい路面でも、ショックを巧みに吸収する類まれな能力を備えている。
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デザートXの大きな特徴は、プレミアムなサスペンションを装備していることです。フロントにはトラベル230mmの46mm径KYB製フォーク、リアには同じくKYB製モノショックを備えている。前後のサスペンションは、ともにフルアジャスタブル・タイプで、コンプレッション、リバウンド、プリロードを調整可能。
KYB製モノショックは、アルミニウム製スイングアームに接続され、220mmのホイール・トラベルを実現している。さらに、デザートXは、究極のオフロード・アドベンチャーを可能にする250mmの最低地上高を備えている。
Ducati初のフロント21インチ、リア18インチホイール
新型デザートXは、ドゥカティとしては初となる、フロント21インチ、リア18インチのホイールを装着している。標準装備されるタイヤは、ピレリ製スコーピオン・ラリー STR(サイズ:フロント 90/90-21、リア 150/70 R18)。このタイヤは、モーターサイクルのオールラウンドなキャラクターに完璧にマッチしている。また、デザートXは、オフロードおよびオンロード用の両方のタイヤに適合するように型式認証を取得している。
制動装備
すべてのドゥカティ・モーターサイクルと同様に、このニューモデルのブレーキシステムにも、コーナリングABSが装備されている。フロントブレーキは、ブレンボ製M50モノブロック・ラジアル・キャリパー、30mm径4ピストン、調整式レバーを備えたアキシャル・ポンプ、アルミニウム製フランジ付き320mm径ダブル・ディスクの組み合わせ。
一方、リアブレーキには、265mm径シングル・ディスク、ブレンボ製2ピストン・フローティング・キャリパーが装備される。これらのブレーキは、路上で適切な制動力を発揮することは勿論のこと、オフロード走行や滑りやすい路面でも優れたパフォーマンスを提供するように設計されている。
優れたエルゴノミクス
新型デザートXのエルゴノミクスは、オフロードおよびオンロードにおける過酷な長期テストを経て開発された。シート/フットレスト/ハンドルバーから構成されるエルゴノミクス・トライアングルは、スタンディング・ポジションでも最高のパフォーマンスを発揮し、オンロードでのライディングでも優れた快適性を提供する。
その結果、非常にスリムなフィッティングエリアと、ライダーとの一体感をもたらすボディ面を備えたバイクが完成し、最大限のコントロール性とハンドリングを実現している。シート高は875mm。狭いインナーレッグカーブとサスペンション設定により、良好な足つき性を確保している。
シート高は、(アクセサリーとして入手可能な)ローシートを装着することによって下げることができる。ローサスペンション・キットを装着することによって、シート高をさらに下げることも可能だ。
快適なポジション
ドゥカティのエンジニアは、デザートXを、どのような道でも楽しくライディングすることができる「ツール」にするために、全力で開発に取り組んだ。たとえば、2つのシートそれぞれに独自の形状とパッドを定義することにより、ライダーとパッセンジャーの両方にとってさらに快適なライディング・ポジションが生み出された。
開口部と外気のエアフローを徹底的に研究することにより、優れた熱管理を実現している。また、細心の注意を払って設計され、専用のサイズと形状を備えたウィンドスクリーンにより、卓越した空力保護を達成している。アクセサリーとして、防風効果がさらに高いウィンドスクリーンも用意している。
優れた航続性能
21リットル以上の容量を備えた燃料タンクにより、長距離ツーリングにも問題なく対応することが可能です。さらに航続距離を延ばしたい場合には、(アクセサリーとして利用可能な)容量8リットルの補助リアタンクを装着することもできる。メインタンクの燃料レベルが特定のレベルを下回ると、リアタンクからフロントタンクへの燃料補給機能が有効になり、メーターパネルから操作することができる。
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また、デザートXは優れた積載能力を備えており、バッグやアルミニウム製トップケースを含めて、合計約120リットルの荷物を収納することが可能。チューブレス・タイヤを選択したことにより、旅と安全性が高まっている。このタイヤは、信頼性およびパンク時における安全性が向上し、修理が容易であるという利点を備えている。
心臓部となるエンジン
新型デザートXの心臓部には、高い評価を得ている937cc水冷テスタストレッタ11°デスモドロミック・バルブトレイン・エンジンが搭載される。ユーロ5規制に適合し、優れた信頼性を特徴とするこのエンジンは、110ps@9,250rpmの最高出力と、92Nm@6,500rpmの最大トルクを発生。
ドゥカティならではの優れたパフォーマンスと、あらゆる回転域で扱いやすいパワーデリバリーを組み合わせることによって、ライダーは、あらゆる走行ルートで自信を持ってライディングすることが可能になる。このエンジンは、非常に軽量でコンパクトな8枚ディスク・クラッチ、ベアリングに取り付けられたギアドラムを備えたギアボックスなど、モンスターおよびムルティストラーダ V2における改良点をベースに、摩擦抵抗を減らし、正確でスムーズなシフトを実現している。これらの改善により、エンジンの重量を、以前のバージョンと比較して1.7kg削減することに成功した。
オフロード走行に最適化
デザートXに搭載されるテスタストレッタ11°は、オフロード走行やさまざまな用途に対応できるように最適化されている。そのため、ムルティストラーダ V2とは異なる専用のギア比が採用された。具体的には、オフロードでの挙動を最適化するために、6速を除く、1速から5速までのすべてのギア比が低くなっている。
特に、オフロード走行で典型的な荒れた路面の低速走行をサポートするために、1速および2速のギア比は大幅に低くなっている。6速ギアは、エンジン回転数を低く抑えながら高速道路で長距離を走行できるように、比較的高めに設定されている。それによって、燃料消費量が削減され、快適性のレベルも向上している。
エレクトロニクス・システム
デザートXの大きな特徴は、ライダー・アシスタンスの面でも一流のパフォーマンスと安全性を提供する、最先端のエレクトロニクス・システム。このニューモデルには、テスタストレッタ・エンジンのパワーとレスポンスを調整することが可能な4つのパワーモード(フル、ハイ、ミディアム、ロー)と、これらと組み合わせて機能する6つのライディングモードを備えている。
ライディングモードの主な新機能は、スポーツ、ツーリング、アーバン、ウェットに加え、オフロードに特化した、エンデューロ・ライディングモードとラリー・ライディングモードが導入されたことだ。
具体的には、エンデューロ・ライディングモードは、パワーを抑制して、専用に設計された電子制御システムのコントロールを使用することで、過酷なダート走行でも優れた安全性を確保して、経験の浅いライダーでも容易にオフロードを走行できるようにしている。その一方で、ラリー・ライディングモードでは、エンジンはフルパワーを発揮し、エレクトロニクス・システムの介入が抑制される。
このモードは、デザートXのオフロード・パフォーマンスを最大限に活用したい経験豊富なライダー向けに設計されている。
各ライディングモードは、ボッシュ製IMU(慣性測定ユニット)を活用して、エンジン・ブレーキ・コントロール(EBC)、ドゥカティ・トラクション・コントロール(DTC)、ドゥカティ・ウィリー・コントロール(DWC)、ドゥカティ・クイック・シフト(DQS)アップ/ダウン、コーナリングABSといった、さまざまな電子制御システムの介入レベルを調整することにより、モーターサイクルのキャラクターを変化させることが可能。
特にコーナリングABSは3つのレベルに設定できるため、あらゆる状況やライダーのスキルに適応できる。オフロード専用のライディングモード(エンデューロとラリー)では、コントロール・スイッチの専用ボタンを操作して、コーナリングABSを完全に無効にすることもできる。
メーターパネル
高解像度の5インチ・フルTFTカラーディスプレイを採用したデザートXのメーターパネルは、縦方向に配置され、スタンディング・ポジションでも情報を明確に読み取れるようになっている。このメーターパネルは、ライダーのスマートフォンとバイクを接続することが可能な、ドゥカティ・マルチメディア・システム※(オプション設定)に対応しており、音楽を聴いたり、電話の着信や発信の操作に加え、ディスプレイに直接ルートを表示するターン・バイ・ターン式のナビゲーション※(オプション設定)といった新しい機能を利用することができる。
メーターパネルは、標準装備される2種類のインフォモード(標準およびラリー)に切り替えることができる。標準モードでは、走行に関するすべての情報が提供される。タコメーターとスピードメーターは見やすい位置に表示され、ギアポジション・インジケーター、燃料計に加え、その他の便利な情報も表示される。
ラリーモードに切り替えると、トリップマスター機能を利用することができる。これは、ラリー競技用のバイクで使用するトリップマスターの動作をシミュレートしたもので、ハンドルバー左側のコントロール・スイッチを使用して、オドメーターの表示を手動で調整することが可能。
デザートXのプレミアムなテクニカル装備は、フルLEDライティング・システムにも見て取ることができる。ダブル・フロント・ヘッドライトは、デイタイム・ランニング・ライト(DRL)を備えた2つのツイン・ファンクション・ポリエリプソイダル(複合楕円形)モジュールを備えており、あらゆる地形を走行可能なモーターサイクルにとって特に重要な、優れた視認性を確保するように設計されている。
リアライトには、急ブレーキをかけたときに、自動的にリアライトを点滅させて後続車に警告するドゥカティ・ブレーキライトを搭載し、ライダーの安全性をさらに高めている。
幅広いパフォーマンスパーツ
この多彩な機能を特徴とするモーターサイクルは、幅広いドゥカティ・パフォーマンス製アクセサリーを利用することで、ライダーの好みや気分に合わせて、さらにカスタマイズすることができる。もっとも魅力的なアイテムとしては、オフロード走行でライダーとパッセンジャーの快適性を高めるラリーシートや、8リットルの容量を備えた補助燃料タンクなどが挙げられる。
また、アルミニウム製サイドパニアとトップケースを装着すれば、合計117リットルの収納スペースを確保することができる。さらに、追加のLEDスポットライト、センタースタンド、グリップヒーターなども用意されている。ドゥカティのスポーツ・モデルでも提供されている認証済みのテルミニョーニ製エグゾーストも利用可能で、付属の専用マッピングにより、パワーとトルクの値がさらに7%増加する。
ドゥカティ・デザートXは、非常に印象的なスタイルを特徴としている。そのため、ドゥカティ・スタイル・センターは、バイクのカラーリングを取り入れた専用のカプセル・コレクションを初めてデザインした。ダカール・ラリーに参戦するライダーのスタイルからヒントを得たこのアパレル・コレクションは、デザートXのタイヤサイズである「21/18」と名付けられている。
テクニカルスーツにはジャケット、ズボン、ヘルメットが含まれ、リミテッド・エディションとして入手可能になる。この限定コレクションには、このモデルのために特別にデザインされた、スウェットシャツ、2種類のTシャツ、2種類のキャップから構成されるライフスタイル・アパレルも含まれている。
※デザートXは、2022年5月からドゥカティ正規ディーラーネットワークで販売される予定だ。
※日本での発売は2022年Q3を予定 メーカー希望小売価格 1,939,000円(税込み)
DucatiデザートX(DesertX)主要諸元
エンジン | |
型式 | テスタストレッタ11° L型2気筒 デスモドロミック 4バルブ 水冷 |
排気量 | 937 cc |
ボア X ストローク | 94 X 67.5 mm |
圧縮比 | 13.3:1 |
最高出力 | 81 kW (110 ps) @ 9,250 rpm |
最大トルク | 92 Nm (9.4 kgm) @ 6,500 rpm |
燃料供給装置 | ボッシュ製電子燃料噴射システム、53mm径スロットルボディ、ライド・バイ・ワイヤ・システム |
エグゾースト | ステンレス・スチール製シングル・サイレンサー、触媒コンバーター、O2センサー×2 |
トランスミッション | |
ギアボックス | 6速 |
1次減速 | ストレートカットギア、減速比 1.85: 1 |
減速比 | 1速 2.714 2速 1.824 3速 1.400 4速 1.182 5速 1.043 6速 0.920 |
最終減速 | チェーン: フロントスプロケット 15T、リアスプロケット 49T |
クラッチ | 湿式多板 油圧式 セルフサーボ/スリッパークラッチ機構付 |
シャシ | |
フレーム | スチールパイプ・トレリスフレーム |
フロントサスペンション | KYB製 46mm径 倒立フォーク、アジャスタブル(コンプレッション/リバウンド/プリロード) |
フロントホイール トラベル | 230 mm |
フロントホイール | クロススポーク・チューブレス 2.15 x 21 |
フロントタイヤ | ピレリ製スコーピオン・ラリー STR 90/90 – 21 M/C 54V M+S TL (A) |
リアサスペンション | KYB製モノショック、アジャスタブル(コンプレッション/リバウンド/プリロード)、 アルミニウム製両持ち式スイングアーム |
リアホイールトラベル | 220 mm |
リアホイール | クロス・スポーク・チューブレス 4.5 x 18 |
リアタイヤ | ピレリ製スコーピオン・ラリー STR 150/70 R18 M/C 70V M+S TL |
フロントブレーキ | 320mm径セミフローティング・ダブルディスク、アルミニウム製フランジ、 ブレンボ製ラジアルマウント・キャリパー、ボッシュ製コーナリングABS |
リアブレーキ | 265mm径ディスク、ブレンボ製フローティング・キャリパー、ボッシュ製コーナリングABS |
メーターパネル | 5インチ TFTカラー・ディスプレイ |
寸法&重量 | |
乾燥重量 | 202 kg |
車両重量* | 223 kg |
シート高 | 875mm |
ホイールベース | 1,608 mm |
キャスター角 | 27.6° |
トレール | 122 mm |
燃料タンク容量 | 21 リットル |
定員 | 2 |
装備 | |
安全装備 | ドゥカティ・セーフティ・パック(コーナリングABS、ドゥカティ・トラクション・コントロール) |
標準装備 | ライディング・モード、パワー・モード、ドゥカティ・ウィリー・コントロール(DWC)、 エンジン・ブレーキ・コントロール(EBC)、ドゥカティ・クイック・シフト(DQS)アップ/ダウン、 クルーズ・コントロール、フルLEDライティング・システム、DRL、ドゥカティ・ブレーキ・ライト(DBL)、 USB電源ソケット、12V電源ソケット、オートキャンセル式ターンインジケーター、ステアリング・ダンパー |
オプション | ドゥカティ・マルチメディア・システム(DMS)、盗難防止システム、フォグランプ、グリップヒーター、 ターン・バイ・ターン・ナビゲーション(アプリ経由)、補助燃料タンク |
ワランティ&メインテナンスE | |
通常保証 | 2年間距離無制限 |
メンテナンス・サービス・インターバル | 15,000 km /24ヶ月 |
バルブクリアランス点検・調整 | 30,000 km |
規制 | 規制 ユーロ5 |
(Source: Ducati)
(Photo courtesy of Ducati)