マルク・マルケスはグリッド上でリアにソフトタイヤを選択した唯一の選手だったが、レースペースの遅さもあって、終盤までしっかりとタイヤの摩耗をコントロールしてきた。終盤はマルティン、リンス、ペッコとバトルを繰り広げて2位を獲得。マレーシアは苦戦するものの、バレンシアではチャンスがあるのではと語る。[adchord]

ソフトタイヤを履くのはギャンブルだった

マルク・マルケス

「自分にとって、そして自分を支えてくれたすべての人達、ドクター、理学療法士達にとっても重要な意味を持ちます。ホンダも2023年に向けて作業をしてくれますし、ホンダにも6回ホンダでタイトルを獲得した選手がまだ活躍出来ることを見せられたと思います。」

「今日はソフトリアを選択したのは自分の選択で、チームは反対していました。ギャンブルをするからとチームに言って使用したんです。もし自分だけがソフトリアを使用するとしてもそれは構わないと言いました。」

「今日はライバルと同じタイヤだとチャンスはないと思っていました。ポルはハードを使用していましたし、金曜、土曜とスピードを発揮しました。でもレースでは後方に下がってしまいました。そしてこれはタイヤが要因だと思います。他のバイクと戦うには十分な状況ではありませんので、経験を元にレースペースが遅くなることを予想して、ソフトタイヤを履くというギャンブルに出たんです。」

「今のホンダのバイクであの位置でレースをするにはソフトタイヤしかありませんでした。しっかりと摩耗をコントロール出来ましたし、終盤にアタックすることが出来ました。」

「最終ラップは2位で走行したいと思っていましたが、それが出来ずプッシュしていました。リンスは完璧にブロックしていて、こういう形だと抜きようがありません。いずれにしても週末の内容に関しては満足です。」

「ターン2は何度かアレックスをパスしていたので、彼がブロックしてくるのはわかっていました。でもペッコはそれを予測していないと思っていたので、そこで仕掛けました。」

「ストレートラインからのブレーキングには問題を抱えていて、ターン4は特にそれが顕著です。バイクは暴れだすともはやバイクは止まらないんです。今日は弟がターン4でミスをしましたけど、あの状況になってしまうんです。ですから他に仕掛けるとするとターン11かターン12だと思っていました。

「本当に楽しいレースでしたが前回心から楽しめたのは2020年のヘレスです。今回は左回りのコースであること、ペースが遅かったので現実を見る必要があるでしょう。序盤の10周はフィジカルもタイヤもコントロールすることが出来ましたからね。」

「マレーシアでは苦戦するでしょうが、バレンシアではチャンスがあると思っています。2023年にタイトル争いに参加するには、今年の冬が本当に重要です。」

「今日のペースが遅かったのは歓迎すべき内容でした。でもマルコ・ベッツェッキがペッコの後ろについた時は厳しかったですね。そこからアレックス、マルティンともバトルが始まってしまいました。」

「本来はペースは上げていきたかったんですが、最終ラップを考えるとあれ以上のプッシュは出来ませんでした。それにペースが速いレースだとオーバーテイクもほぼ発生しません。ペースが遅くてオーバーテイクが多いレースのほうが見ていて楽しいでしょう(笑)」

「調子はどんどん良くなっていますが、レースの意味でもスピードを発揮する選手がもう1人増えたほうが見ている側は面白いでしょう。まだまだ改善点は多いですけどね。」

「このトラックはスリップストリームが非常に有効なんです。他のトラックだとスリップストリームのあとのブレーキングで逆にタイムを失うこともあります。それにスローペースで走行している時であってもスリップストリームは有効ですね。」

(Photo courtesy of michelin)