レースを10番手からスタートしたリンスは、ペースの遅いレースであることを感じて徐々にフロントに立った。スタート前からチームと共に綿密に計画を立て挑んだレース。今回の優勝は、Team SUZUKI ECSTAR(チーム・スズキ・エクスター)のMotoGP撤退を受けても懸命に作業を続けてきたチーム、浜松のスタッフに捧げると語った。[adchord]

優勝が出来て本当に嬉しい

アレックス・リンス

「優勝出来て本当に嬉しいです。Team SUZUKI ECSTAR(チーム・スズキ・エクスター)でフィリップアイランドを走るのはこれで最後ですからね。シーズン中チームは本当に厳しい時もありましたし、浜松のスタッフにとっても素晴らしい結果でした。フィーリングは最初から良くてリアタイヤをしっかりと温存出来ました。」

「序盤にペッコやマルティンの後ろでレースをしていた時に、ペースがかなり遅いと感じたのでフロントに出てリアタイヤを温存していこうと思っていました。しかしDucatiにはストレートで簡単に抜かれてしまうので、Ducatiの背後でレースを進めることを選びました。」

「レース終盤にはエクストラでペースを発揮出来ました。もし最終ラップを2位でスタートできれば、ペッコをターン1、ターン2の間で抜ける自信がありました。すべてが計画通りに行きましたので、本当に嬉しいです。」

「スタート前からチームと共にどこがリアタイヤに厳しいかを見ていました。ここでは右サイドのタイヤ消耗はさほど気にする必要がありません。ですからターン1はスライドしてバイクの向きを変えていて、ターン2に高速で進入することが出来ていたんです。」

「チームにとって来年MotoGPに参戦しないということは大きなニュースでしたし、自分もそのニュース以降に他のライダーと接触して転倒するなどショックは大きかったですね。モンテネロでは手首も怪我をしましたし。でも諦めずに進んできました。スタッフの中には来年の契約がある人、無い人がいます。この先どうなるかわかりませんが、今回の優勝は彼らに捧げる優勝ですね。」

「優勝自体は本当に嬉しいですし、自分達にふさわしい結果でしょう。GSX-RRは正直1周のタイムを出せるバイクではないんです。ただレースによっては素晴らしいペースで走行出来るので、トップ6で走行するといったことが可能なんです。」

「オースティンでバレンティーノと戦った末の優勝、シルバーストーンでのマルクとの最終ラップを争っての優勝、今回の優勝もいずれも優勝は嬉しいものです。今回のレースは皆が限界で戦っていましたが、その中でクリーンなバトルでした。」

(Photo courtesy of michelin)