今年KRTには2人のエレクトロニクス、データ解析のスペシャリストが加わっている。1人はジョナサン・レイのガレージに加わるエレクトロニクス・エンジニアであるサンダー・ドンカーズ、そしてFIM スーパーバイク世界選手権(SBK)でエレクトロニクス分野の経験が深いクリストフ・ランバートだ。

FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)では、テスト、レースから得られる膨大なデータを元に結論を出し、それを元に行動することが必要となっている。KRTはこの分野で豊富な経験を持ち、直近ではトプラック・ラズガットリオグルとも仕事をしていたクリストフ・ランバートを招聘した。[adchord]

彼は今後KRTでエレクトロニクス&データエンジニアリング・コーディネーターの肩書を名乗ることになる。彼がチームに加入することで、KRTガレージのレースウィークエンドのエレクトロニクスに関する取り組みが進化、パフォーマンスが向上することに繋がるだろう。サンダー・ドンカーズは、ジョナサン・レイのエレクトロニクス・エンジニアであったダビデ・ジェンティーレの後任となる。

クリストフがレースの世界に足を踏み入れたのは25歳と遅い。もともとは車のエアコンの設計を行っていた人物だが、友人の勧めでMotoGPの世界を目指し、フランスのモータースポーツ・パフォーマンス・スクールで学び、データ担当として世界選手権の世界で働き始める。現在KRTライダーのアレックス・ロウズがヤマハにいた際に彼と仕事をしていたほか、直近3年間は2021年WSBKチャンピオンであるトプラック・ラズガットリオグルと仕事をしていた。

サンダーは、さまざまな選手権で豊富な経験を持っている。彼はオランダのHAN大学に入学、クランフィールド研究所でモータースポーツエンジニアリング&マネジメントの修士号を取得。現在はエレクトロニクスが専門ながら、イギリスのサスペンションメーカーでの経験、AMAスーパーバイクでエレクトロニクスエンジニア、クルーチーフ、Moto2のR&Dエンジニア、MotoGPのエレクトロニクスエンジニアなどを、MVアグスタ、HRC、FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)のBMWモトラッドで勤めてきた。[adchord]

クリストフ・ランバート

「KRTに参加できて本当に嬉しいです。この数年、KRTは私を刺激してきたチームです。KRTは長い間トップに君臨してきたチームです。彼らの一員になることは、とてもエキサイティングなことです。チームのリソースは素晴らしく、メンバーはフレンドリーでプロフェッショナルです。私にとってとてもいい経験になると思います。」

サンダー・ドンカーズ

「2023年からジョナサン・レイのエレクトロニクス担当としてKRTに参加することになりました。このプロジェクトに参加できることをとても嬉しく思っています。私にとって大きな挑戦で新しく学ぶことがありますが、とても楽しみですね。」

グイム・ロダ

「KRTのワークフローの中で強化できる部分を検討したところ、既存の技術スタッフをサポートし、エレクトロニクス・システムから最大限の力を引き出すための新しい役割を導入する必要があると結論付けました。加えてレースウィークエンドで得られる膨大なデータをより迅速に評価する必要もありました。今まではレースが終わってから数日後にこうした作業を行っており、その効率の悪さを感じていたんです。」

「しかし新しいスタッフが加入してくれたことにより、こうしたデータをリアルタイムにレースウィークエンドの中で分析することが出来るようになりました。クリストフには豊富な経験とポテンシャルがあり、彼と共にさらにパフォーマンスを向上出来ると信じています。ダビデ・ジェンティーレはその働きに感謝すると共に新天地での活躍を祈っていますが、彼の後任という重要なポジションにサンダーを起用しました。」

「また、この機会のKRT内で役割と責任を再編成しており、この組織のコンセプトをレースの現実に対応出来るようにしています。同時にフロリアン・マリノを中心としたテストチームを強化し、サーキット走行時間を最大限活用出来るようにしていきます。2023年のシーズン開幕に向けて、高いモチベーションを維持しています。」

(Photo courtesy of KRT)