予測不能な天候がWorlldSBKの鍵を握った

アッセンで開催されたWorldSBK第3ラウンドの「ピレリ・ダッチ・ラウンド」では、予測不能な天候が予選とレース1の目玉となった。金曜はドライコンディションの中、WorldSBKカテゴリーのみがスリックタイヤを使用。これが土曜のレース1で役立った。レース1の濡れた箇所が多く残るトラックではタイヤ選択が最後の最後まで未知数となり、スターティンググリッドのほとんどのライダーが徐々にアスファルトが乾くことを期待してスリックタイヤを選択。

唯一異なる選択をしたのは、負傷したダニロ・ペトルッチの代役としてアッセンに出場したバルニ・スパークチームのニコラス・スピネッリで、彼は前後にインターミディエイトタイヤを選択した。この選択は序盤に約20秒の差をつけるほど有効だったが、次第に乾いてきたアスファルトは他のライダーたちが選んだスリックタイヤの性能を引き出し、トプラック・ラズガットリオグル(ROKiT BMWモトラッドWorldSBKチーム)とアルヴァロ・バウティスタ(Aruba.itレーシング-ドゥカティ)がスピネッリをほぼ捉える形となった。しかし、レースはトラック上のオイルのため赤旗中断となり、スピネッリが優勝、トプラック・ラズガットリオグルとアルヴァロ・バウティスタはそれぞれ2位と3位でフィニッシュした。

ジョルジオ・バービアー

「アッセンの予測不可能な天候は、特に金曜の練習走行での低いアスファルト温度にも関わらず、スリックソリューションの多様性と性能を浮き彫りにしました。レース1のスターティンググリッドにおいてタイヤ選択は難航したものの、昨日の寒さの中で示されたSC0とSCX(スタンダードおよびデベロップメントバージョン)の良好なフィードバックが、各チームに自身のセットアップに最適な選択をする自由を与えました。」

「レース中、トラックが徐々に乾いていく中で、スリックソリューションを選んだ全てのライダーがラップタイムを大幅に短縮し、レースリーダーに迫る走りとなり、特に、後輪にSCXデベロップメントソリューションを選んだライダーからは良好なフィードバックがありました。」

各ライダー達の選択

・スーパーポールセッションでは、雲間から日が差し始めていたが、ウェットトラックのため全ライダーがSCR1レインタイヤを使用した。

・最速はジョナサン・レイ(ヤマハ)で、ニコロ・ブレガ(ドゥカティ)とトプラック・ラズガットリオグル(BMW)が続いた。

・レース1では、ニコラス・スピネリ以外でインターミディエイトソリューションをフロントに選んだのはアンドレア・ロカテリ(Pata Prometeonヤマハ)だけだったが、彼はリアにはSCXを選択。

・他のライダーたちはほぼ一致してフロントにSC1を選び、ジョナサン・レイ(Pata Prometeonヤマハ)とスコット・レディング(Bonovo Action BMW)だけがSC2を選択。

・リアタイヤは、5人のライダーがデベロップメント仕様のSCX-A(C0900)を装着し、その他はほぼSC0とSCXに分かれていた。

(Photo courtesy of pirelli)