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MotoGP最終戦 開催地バレンシアで、大洪水が発生 レース開催への影響も

スペイン東部バレンシア州を中心に、2024年10月29日から30日にかけて発生した集中豪雨による洪水は、近年で最悪規模の被害をもたらしている。AEMET(スペイン国立気象庁)によれば、バレンシア州のチバではわずか8時間で年間降雨量に相当する量の雨が降り注ぎ、広範囲に洪水が発生した。この豪雨により、鉄砲水が多くの橋や建物を押し流し、少なくとも95人が死亡、数十人が行方不明となっている。特に被害の大きいバレンシア州では少なくとも92人が死亡し、近隣のカスティーリャ・ラ・マンチャ州でも死者が報告されている。

洪水は、道路やインフラにも深刻な影響を与えている。多くの道路が浸水し、救助隊や軍の活動は大きな制約を受けている。バレンシア州に派遣された1000人以上の救助隊員も、一部の被災地に到達できず、屋根の上や木の上で救助を待つ住民がいる状況だ。通信や電線が断たれ、現場では救援物資の配布が滞っているため、被災者支援が厳しい状況に置かれている。

この大雨の原因は、スペインで「DANA」(ディプロメティック低気圧)と呼ばれる気象現象で、低気圧が地中海上の温かい湿った空気とぶつかり、集中豪雨をもたらすものである。バレンシアをはじめ、バレアレス諸島やムルシア地方も同様の気象条件の影響を受け、今後も豪雨が続く可能性がある。スペインの気象当局は、洪水警報を継続的に発出し、住民に厳重な警戒を呼びかけている。

バレンシアではMotoGPの最終戦が予定されているが、コース周辺の浸水や天候の不安定さから、イベントの開催が危ぶまれている。MotoGP運営は天候が回復するまでの間、安全確保のためにレース日程の調整を検討中だ。観客や選手の安全が最優先とされており、コース整備が進められているものの、天候次第では中止や延期も視野に入れている。

スペイン全土に深い衝撃を与えたこの洪水を受け、ペドロ・サンチェス首相は国全体で3日間の喪に服することを宣言。各地から派遣された部隊と支援物資が続々と被災地に到着しており、復旧活動も開始されているが、被害が広範囲にわたるため、今後数週間にわたって支援が必要となる見通しだ。

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