南アフリカ・サファリラリー第2ステージで、モンスターエナジー・ホンダHRCにとって大きなニュースが飛び込んだ。第1ステージでクラッシュを喫したトシャ・シャレイナが右手の負傷のため、ラリーからの撤退を余儀なくされた。世界ラリーレイド選手権ランキング2位を争っていた中での棄権は、本人にとってもチームにとっても痛恨の決断となった。

過酷な第2ステージ、マラソンキャンプへ向かう623km

5月21日に実施されたステージ2は、総距離623km(うちスペシャルステージ356km)という今大会最長の移動区間。サンシティを出発し、南西方向へ農業地帯を貫きながらステラの町まで進むルートは、広大なサバンナと高速トラックが中心となる構成。速さだけでなく、繊細なナビゲーション技術も問われた。

ライダーたちの奮闘:ヴァン・ベヴェレンが表彰台維持、ブラベックは順位後退

リッキー・ブラベックは総合3位を守るべく序盤から攻めたが、給油後のナビゲーションミスによりフェンスの反対側に進入してしまい、約5分をロス。ステージ3位でフィニッシュしたものの、総合では4位へと後退(+3分05秒)。

エイドリアン・ヴァン・ベヴェレンはスタートからわずか14kmでロス・ブランチを交わし、先頭を走る展開に。ルート上に複数のゲートが閉鎖されており、都度開ける必要があったが、主催者がその時間を補正。最終的にステージ4位となり、総合では3位(+2分58秒)をキープ。スカイラー・ハウズは前日のミスを修正し、堅実な走行でステージ5位。フェンスラインでの進路ミスが数回あったものの、大きなトラブルは回避し、総合6位に浮上(+21分31秒)。

リッキー・ブラベック(ステージ3位/総合4位)

「今日は全体的に良かったです。最初は速いペースで行けましたし、できる限りのことはしましたが、他のライダーがより良い走りをしていたと思います。給油後にナビゲーションでミスしてフェンスの反対側に行ってしまい、約1分半を失ってしまいました。それでもマラソンキャンプまで辿り着けたことに満足しています。明日も全力で挑みます。」

スカイラー・ハウズ(ステージ5位/総合6位)

「今日はかなり良い一日でした。ライディングもナビゲーションも上手くいきました。最後の200kmは本当に難しかったですが、うまく乗り切れたと思います。ただ、日中はフェンスの反対側に3回も出てしまって、都度戻って正しいルートを探す必要がありました。今はバイクの感触も良いですし、テントで寝て明日のステージに備えます。」

エイドリアン・ヴァン・ベヴェレン(ステージ4位/総合3位)

「今日はいい走りができました。序盤にロス・ブランチが止まっているのを見て、そこからは自分がオープナーになりました。ここの地形はトラックが見えにくくて、途中で何度かゲートも閉まっていて開ける必要がありましたが、落ち着いて走り切ることができました。」

総合順位(第2ステージ終了時点)

  1. ダニエル・サンダース(KTM) – 6:34:46
  2. ルシアーノ・ベナビデス(KTM) + 1:11
  3. エイドリアン・ヴァン・ベヴェレン(ホンダ) + 2:58
  4. リッキー・ブラベック(ホンダ) + 3:05
  5. ホセ・イグナシオ・コルネホ(ヒーロー) + 18:20
  6. スカイラー・ハウズ(ホンダ) + 21:31

チーム代表 ルーベン・ファリア

「マラソンステージ初日は全体的に良かった。エイドリアンは先頭をうまく走ってくれたし、ゲートのトラブルも主催者が補正してくれた。スカイラーも序盤こそタイムを失ったが、後半で挽回し、安定した走りを見せてくれた。リッキーも堅実で、明日のステージでさらに上を狙える位置にいる。ナビゲーションが最も難しいと予想されているステージになるので、全員が集中を維持して挑んでほしい。トシャについては残念だが、病院での検査の結果は問題なく、痛みのため今回は出走を見送る決断を下した。」