エストリル・サーキットで開催されたスーパーバイク世界選手権(WorldSBK)第11戦において、ROKiT BMWモトラッドWorldSBKチームのトプラック・ラズガットリオグルが2勝と2位を記録。ライダーズランキングでは39ポイント差のリードを築き、最終戦ヘレスを前にタイトル獲得に大きく前進した。BMWはマニュファクチャラーズランキングでもドゥカティに3ポイント差まで肉薄している。
トプラックが再び主役に。記録尽くしのエストリルラウンド
ポルトガル・リスボン近郊のエストリル・サーキットで行われた今季の第11戦。ラズガットリオグルはBMW M 1000 RRを駆り、レース1とスーパーポールレースで勝利を挙げ、レース2では2位に入った。週末を通じてフリー走行からレースまで複数のラップレコードを更新し、その圧倒的な速さを改めて証明した。この結果、ラズガットリオグルは累計580ポイントでランキング首位をキープ。ライバルであるニコロ・ブレガ(ドゥカティ)に対して39ポイント差を付け、最終戦ヘレス(スペイン)を迎える。
ショーン・ミューア(チーム代表)
「素晴らしい週末でしたね。トプラックは自信に満ちた状態でこのラウンドに臨み、フリープラクティス、スーパーポール、レース1すべてでラップレコードを叩き出し、2勝と2位を収めました。ライダーズランキングでリードを広げ、BMWとしてマニュファクチャラーズ争いでも差を詰められたのは非常に大きいです。マイキーはレース1でクラッシュに巻き込まれ、さらに再スタートでトラブルもあったものの、日曜にはしっかり立て直してくれました。両サイドのガレージが全力を尽くしてくれた成果です。最終戦に向けて集中を切らさず挑みます。」
スヴェン・ブルッシュ(BMWモトラッド・モータースポーツ責任者)
「今回の週末も、タイトル獲得に向けた非常に重要なステップとなりました。2勝と1度の2位という結果により、我々は非常に良いポイント差を持って最終戦ヘレスへ向かうことができます。トプラックのパフォーマンスは見事でしたし、ブレガの走りも称賛に値する内容だったと思います。あの2人が他を寄せ付けずに争う姿は、まさに別次元の戦いでした。マイキーの走りにも満足しています。2レースでトップ10入りという結果は、チームにとっても大きな意味を持つものです。ヘレスに向けては、ベルリン、ミュンヘン、イギリス、そして現場のサーキットと、あらゆる拠点が一丸となって準備を進めていきます。」
クリスティアン・ゴンショア(BMWモトラッド・モータースポーツ テクニカルディレクター)
「ポールポジション獲得、ラップレコードの更新、2勝と1度の2位。チームにとって本当に素晴らしい週末でした。トプラックはどのレースでも高いプロ意識を示してくれましたし、レース2ではタイトル争いを見据え、あえてリスクを冒さず2位を選択するという冷静な判断も見られました。まさに、チャンピオンに相応しい戦い方だったと思います。最終戦のヘレスでは、白熱したファイナルが待っています。我々はその舞台に向けて準備を整える一方で、FIMおよび主催者の皆様が、公平かつエキサイティングなレース環境を提供してくださっていることに、改めて感謝の意を表したいと思います。観客や視聴者の皆様に、素晴らしいライダーたちによる戦いを楽しんでいただけるのは、その努力の賜物です。」
トプラック・ラズガットリオグル
「レース1で勝てたことが本当に嬉しかったです。序盤は全て順調でしたが、ニコロの方がグリップが良かったように感じました。終盤は自分もニコロもかなりスピンしていて厳しかったです。スーパーポールレースではスタートが少し難しかったですが、2周目までニコロと接戦を繰り広げました。その後は自分のペースに集中し、ラップタイムを安定させ、ミスをしないように心掛けました。最終的に再び勝ててよかったです。」
「レース2は自分にとってもっと厳しい展開でした。序盤は5番手に下がり、ニコロに追いつくまで時間がかかりました。2位に戻った後は毎周全力でプッシュしていましたが、リアタイヤが消耗してしまい、とても苦しい状況でした。そこで『今回は勝つのは無理、選手権のために2位で十分だ』と考え、レースをマネジメントしました。今はヘレスが楽しみです。ポイントには少し余裕がありますが、ニコロはヘレスで非常に強いので、自分もベストを尽くします。」