2025年のMotoGPは、ドゥカティの強さが際立つシーズンとして幕を開けたが、終盤にかけて勢力図に変化が見られた。Trackhouseのチーム代表ダヴィデ・ブリビオは、アプリリアの進化がドゥカティ優位の構図に風穴を開けたと語っている。
シーズン前半、ドゥカティは8戦連続で表彰台を独占し、王者マルク・マルケスを中心に圧倒的な戦力を誇示した。しかしマルケスの負傷欠場以降、勢力は拮抗し、アプリリアは終盤4戦中3勝を挙げるなど飛躍的な成長を遂げた。特にTrackhouseのラウル・フェルナンデスがもたらした初優勝は、チームとマシンの進化を象徴する出来事だった。

ダヴィデ・ブリビオ
「シーズン序盤には、ドゥカティが非常に大きな優位を示していました。彼らのライダーたちは皆、非常に強力で、常に3台、4台、5台のドゥカティが前方を走っていました。もちろん、今でもドゥカティが最も優れたバイクであることに変わりはありませんが、シーズン終盤にはアプリリアやKTM、そして時にはホンダも前に出てくるようになりました。週末の展開はシーズン序盤に比べてはるかに予測しにくくなり、ドゥカティの支配力がやや弱まったように思います。」
「マルク(・マルケス)が残念ながら欠場を強いられる中でも、他のドゥカティライダーが勝利を収める場面はありましたが、序盤のような圧倒的な支配は見られなくなりました。」
「そうした中で、アプリリアはシーズン後半に3勝を挙げました。Trackhouseのラウル・フェルナンデスが勝利を挙げたことも含めて、これはRS-GPにとって過去最高のシーズンだったと思います。開幕時には、フェルナンデスと(ホルヘ)マルティンがセパンテストの初日に負傷するという厳しいスタートでしたが、シルバーストンでベッツェッキが初表彰台と初勝利を挙げてから、アプリリアの流れが変わっていきました。」

「シーズン序盤と終盤でここまで印象が変わるというのは、アプリリアの開発の成果を物語っていると思います。小さな改良やオペレーションの調整といった取り組みが功を奏し、シーズンを通じて着実にパフォーマンスを上げていきました。」
「だからこそ、自分としては、どのような見方をしても、アプリリアはドゥカティとの差を縮めたと感じています。そして、そのことがレースをより予測不能にし、面白くした要因のひとつだったとも思います。今シーズンにおけるアプリリアの進歩は、間違いなく評価されるべきものです。」

中の人は元スズキ(株)気になるバイクニュースを2014年から運営しています。愛車遍歴はGSX-R1000K5、DucatiモンスターS2R、Ducati 916、XR230F、GSX-R600 K7、最近はまた乾式クラッチのDucatiに乗りたいと思っています。