2025年シーズン中にアプリリアが投入し注目を集めた“レッグウイング”と呼ばれる新型エアロデバイスの禁止案が、当初予定されていた2026年から2027年に延期される見通しであることが、スペイン誌によって報じられた。この“レッグウイング”に関しては、安全性を理由とした禁止提案がグランプリ・コミッションに提出されたと報道されており、ライダーが転倒した際に足がウイングに引っかかり、二次的な負傷を引き起こす可能性が指摘されていた。

この禁止提案では、車体後部に「除外ゾーン」を設ける形で、レッグウイングを事実上使用不可とする新ルールを定めていた。具体的には、後輪から800mm前方を起点とし、幅300mm、最大で450mmまでの領域にウイングを設置してはならないという規制案だった。通常、技術規則の改訂には全メーカーの合意が必要だが、安全性を理由とした変更に関しては例外的に多数決による可決も可能とされる。
延期の背景にはメーカー間の駆け引きも
最新のニュースによれば、このルール変更は2026年の導入を見送り、2027年シーズンからの適用が有力視されている。延期の理由として、アプリリアとホンダがこの変更に反対したとされている。2027年には排気量を850ccに引き下げる新規則が導入され、エアロダイナミクス関連の大幅な再編が予定されている。これにより、レッグウイングを含む全体的な空力規制の見直しが行われる見込みだ。
2027年から大規模なレギュレーション変更を控えたこのタイミングで、新たな空力関連のルールの導入、それに関する各メーカーの開発が必要となることもふまえると2026年からではなく、2027年からの適用には納得感がある。

中の人は元スズキ(株)気になるバイクニュースを2014年から運営しています。愛車遍歴はGSX-R1000K5、DucatiモンスターS2R、Ducati 916、XR230F、GSX-R600 K7、最近はまた乾式クラッチのDucatiに乗りたいと思っています。
