ダカールラリー2026【ステージ12】ブラベック 土壇場の逆転で首位奪還 ダカール最終日へ優勝視界に

リッキー・ブラベックが、2026年ダカールラリーの最終日前日に完璧なパフォーマンスを披露。第12ステージで見事優勝を果たし、総合首位の座を奪還した。ステージ開始時点で、総合首位のルシアーノ・ベナビデスとの差はわずか23秒。第11ステージであえてペースを落とし、後方スタートを選択したブラベックの賭けは、この日見事に実を結んだ。

アル・ヘナキーヤからヤンブーまでの311kmに及ぶ競技区間は、複雑なナビゲーション、岩場、小規模な砂丘など、正確な走りが求められるルート。ブラベックはベナビデスの6分後方からスタートし、完璧に近い走りで追い上げを開始。45km地点ではベナビデスがリードしていたが、ブラベックがリズムをつかむと徐々にタイムを縮め、チームメイトのトシャ・シャレイナら前を行くライダーを次々と捉えていった。

給油地点では状況を確認し、後半は冷静にリスク管理を行う走りへと切り替え。ベナビデスもスカイラー・ハウズとエイドリアン・ヴァン・ベヴェレンを捉えてボーナスタイムを得たが、追撃は届かず。

ステージ終盤で主導権を握ったブラベックは、自身のダカール通算13回目となるステージ勝利を飾り、ベナビデスに3分43秒差をつけてフィニッシュ。これにより、総合でも3分20秒差のリードを築いて最終ステージを迎える。ホンダにとっても、今回の勝利は記念すべきダカール通算120勝目となった。

ホンダ勢の躍進:シャレイナとヴァン・ベヴェレンも健闘

トシャ・シャレイナは、今大会での苦戦や10分のペナルティを経て着実に復調。岩場が連続する過酷な地形で堅実な走りを見せ、ステージ3位を獲得。総合でも3位を堅持しており、最終日には3度目のステージ勝利を狙う構えだ。

エイドリアン・ヴァン・ベヴェレンは、ナビゲーションの難しさに苦戦しながらもステージ4位でフィニッシュ。ダニエル・サンダースに8分差で挑む最終日、総合5位浮上を狙って全力を尽くす構えだ。

スカイラー・ハウズは、ステージオープナーという厳しい条件に加え、途中でオイル漏れによるブレーキトラブルに見舞われながらも走り切り、24分遅れのステージ10位。だがその結果、総合ではサンダースをわずか10秒差でかわし4位に浮上した。

最終日へ:残すは105km、勝負の行方はヤンブーで決まる

ダカールラリー2026もいよいよ最終日。再び舞台となるヤンブーで、残すところは105kmの戦いのみ。ブラベックの3度目の優勝か、それともベナビデスの逆転劇か。全ては明日のステージで決まる。

チーム代表 ルベン・ファリア

「今日はチームにとって本当に重要な1日でした。リッキーは計画通り、昨日は後方スタートを選び、今日はその作戦を完璧に実行した。3分20秒のリードを持って最終日を迎えるのは理想的な展開です。トシャも確実な走りで表彰台圏内を維持してくれたし、エイドリアンも苦しい中でよく粘った。スカイラーはトラブルを抱えながらも総合4位に浮上。全員が明日に向けて集中しています。」

リッキー・ブラベック

「今日は注意深く走ろうと思っていたけど、かなりリスクを取って攻めました。残り1日という状況で、いいポジションにつけられてすごくうれしいです。昨晩はラリー中で一番よく眠れたかもしれません。明日はスタートが遅いので、夜8時半まで起きていられるかも(笑)。ルシアーノはこのラリー全体を通して本当にいい走りをしていて、自分も毎日彼と戦うことができて楽しいです。観戦している人たちも、きっと楽しんでくれていると思います。」

スカイラー・ハウズ

「今日は大変な一日でした。ガスケットが壊れて、オイルが漏れ出し、ブーツとリアブレーキにまで広がってしまったんです。スペシャルの序盤100kmまでは悪くない走りだったと思いますが、その後はエンジンの熱を抑えるために本当に慎重になりました。フィニッシュできただけで奇跡のような日でしたし、総合で4位に上がれたことはうれしいです。明日、残り100kmをしっかり走り切りたいです。」

エイドリアン・ヴァン・ベヴェレン

「序盤にナビゲーションでいくつかミスをしてしまい、その後は冷静さを取り戻して正確に走るように心がけました。55km地点でスカイラーに追いつき、その後100kmほど先頭を走りました。一度ルートを探すために引き返したとき、ルシアーノのライトが見えたので、公平なバトルにしたくて彼に前を譲りました。その後は彼の後ろを走ったけど、かなりのダストで厳しかったです。給油地点でリッキーがすぐ後ろにいると分かり、自分はペースを落として彼のバトルの邪魔にならないようにしました。今週は調子が上がってきたので、明日も集中して走ります。」

トシャ・シャレイナ

「今日は簡単じゃなかったです。とにかく石だらけで、300kmの間ずっと岩の上を走っているような感覚でした。序盤で少しナビゲーションミスもしました。でもチームメイトが総合トップにいて、ホンダ勢が表彰台に2人乗っているというのは本当にうれしいことです。サウジアラビアでの2週間を経て、最後のステージに並べるのはやはり特別な気持ちになります。ダカールでは何が起こるか分からないけれど、全てがうまくいくことを願っています。」

最終ステージへ

最後の105kmで、勝者が決まる。ブラベックの3度目の戴冠か、それともドラマティックな逆転劇が待っているのか。世界が注目するダカール最終決戦が、いよいよ幕を開ける。