ドゥカティはイタリア・ミラノで開催される世界最大のモーターサイクル展示会「EICMA 2025」に出展し、これまでで最も多彩かつ洗練された新型ラインアップを発表。創業100周年を目前に控えた今年、ドゥカティはMotoGPおよびスーパーバイクでの圧倒的な戦績を背景に、技術力とデザイン性を結集した最新モデルを披露する。
モータースポーツでの圧倒的成果を背に、記念イヤーへ
ドゥカティは2025年のMotoGPシーズンで、ライダーズタイトル(マルク・マルケス)、コンストラクターズタイトル、チームタイトルの三冠を獲得。これでライダーズタイトルは4連覇、コンストラクターズタイトルは6連覇となった。
またスーパーバイク世界選手権(WSBK)では、パニガーレV4 Rが活躍し、通算21回目のマニュファクチャラーズタイトルを獲得。ドイツIDM選手権ではライダーズタイトルを、イタリアCIVでもパニガーレV4が勝利を収めるなど、各地で技術力を証明している。
ハイパーモタードV2/V2 SP:20年の節目に誕生した最強仕様

2005年のEICMAで初代プロトタイプが発表されてから20年、新型Hypermotard V2 / V2 SPが登場。第4世代となるこのモデルは、全く新しい技術基盤を採用し、従来のHypermotard 950と比較して13kg(SPは14kg)もの軽量化を実現。
- 最大出力:120馬力(V2 IVTエンジン搭載)
- 最大トルク:94Nm(3000rpmで70%を発揮)
- Hypermotard V2 SPは、カーボンフェンダー、オーリンズ製ゴールドサスペンション、Brembo M50キャリパー、専用ロゴ入りリバリーを装備し、よりアグレッシブな仕様に
Monster第5世代:クラシックと現代性の融合
最新のDucati World Premièreで発表された第5世代Monsterが、EICMAで初めて一般公開。完全新設計のフレームと新型V2 IVTエンジンにより、都市部でもスポーツライディングでも扱いやすいバランスに進化。
特徴的な「バイソンバックタンク」と「一体型シート」「ショートテール」を継承しつつ、モダンかつコンパクトなデザインを採用している。
DesertX 2026:新型サスペンションでオフ性能を強化
2022年に登場したDesertXが、2026年モデルとしてアップデート。21インチフロントホイールとV2 IVTエンジンを核とし、新設計のリンク式リアサスペンションを搭載。
- 出力:110馬力(9000rpm)
- トルク:92Nm(7000rpm)
- 装備重量(燃料なし):206kg(暫定)
発売は欧州で2026年5月、北米で6月、日本とオーストラリアでは8月を予定。
Desmo250 MX / Desmo450 Enduro:本格オフロードラインを拡充
オフロードモデルとして、Desmo250 MXとDesmo450 Enduroが2026年ラインアップに追加。2025年のMXoN(モトクロス・オブ・ネイションズ)では、トニー・カイローリがDesmo450 MXでトップ10に入るなど、競技でも活躍中。
両モデルは2026年7月より、Ducati Offroadディーラーを通じて販売開始。
Panigale V2 MM93 / FB63:マルケス&バニャイア仕様の限定モデル
MotoGPライダー、マルク・マルケスとフランチェスコ・バニャイアに捧げる特別仕様のPanigale V2 MM93 / FB63が登場。
- 鍛造ホイール(軽量化1.5kg)
- オーリンズ製ステアリングダンパー
- MotoGPスタイルのステアリングプレートとグリップ
- MM93仕様はマルケスの初テスト用リバリー
- FB63仕様はバニャイアのブラック×レッド迷彩風デザインを再現
Panigale V4 S Corse / Streetfighter V4 S Corse:GP25由来の新カラー
MotoGP 2025シーズンでドゥカティ・レノボチームが使用したDesmosedici GP25のカラーリングを反映した、特別デザインのパニガーレV4 SとストリートファイターV4 Sが登場。
- ベースはドゥカティレッド
- フルオレセントレッドの“カーブ”グラフィック
- バータイプのゼッケンナンバーが特徴
「Giallo Ducati」が復活
伝統的な**ドゥカティ・イエロー(Giallo Ducati)**が、2026年モデルのPanigale V2およびStreetfighter V2に復活。1970年代に登場し、90年代に人気を博したこのカラーは、2024年のGPで一部復活。今後も継続展開予定。
Scramblerシリーズにもカスタムキット登場
Scrambler Icon用として、2種類のビジュアルキットが追加。
- Retro Stripe:1970年代風のシンプルなストライプグラフィック
- Old Skool Checkerboard:チェッカーフラッグをモチーフにしたレーサー風デザイン
会場イベントも充実 著名ライダーが登場
EICMA期間中、Hall 5・スタンドO82では連日イベントを実施。
- 11月6日:アルヴァロ・バウティスタが登場
- 11月7日・8日:アレッサンドロ・ルピーノ&トニー・カイローリ
- 11月8日:ダヴィデ・スティルペ(イタリアSS王者)が登場
- 11月8日・9日:ケヴィン・ヴァンディ(Hypermotard V2映像出演)
MotoLiveエリアでは、「Champions Charity Race」開催。Marc MárquezとPecco Bagnaiaのトレーニングにも使われたDesmo450 MXが、オフロード仕様で登場。
中の人は元スズキ(株)気になるバイクニュースを2014年から運営しています。愛車遍歴はGSX-R1000K5、DucatiモンスターS2R、Ducati 916、XR230F、GSX-R600 K7、最近はまた乾式クラッチのDucatiに乗りたいと思っています。