アルゼンチンGPでは数名のライダーがQ2でスリックを履くというギャンブルを行いましたが、そのギャンブルを見事成功させたのは、今年からPramacに乗るジャック・ミラー選手でした。ミラー選手はその走りについて冗談交じりに語っています。
Q
「多くの有力ライダーが後ろに控えていますが、あなたは彼らよりも遥かに度胸があったということだと思います。最初の2周でも大変だったと思いますが、そこでまたスリックタイヤで走るというのはどういう心境だったんでしょうか?」
ジャック・ミラー
「子供の頃からお袋が”あんたは人の言うことは何も聞かない子ね”と言ってました(笑)今回もバイクは何かを伝えようとしていましたが、自分はそれを無視して走っていました(笑)さっきも話したように、基本的にある1つのコーナー(※ターン7)さえなんとかなれば、残りはほぼドライでした。ダニも話したように、最初の2つのセクターで出来る限りタイムを稼いで、1つのセクターを犠牲に、あとは最終コーナーもほぼドライでしたから、あとは残りのセクターをどうするかということだったんです。」
「ウェットのセクターを通る時だけフロントが滑っていましたけど、なんとかそのポイントでコケないようにするだけでした。ただ、どれだけ滑りやすかったかというのは本当に説明出来ないほどです。スロットルに触った瞬間にバイクが横を向いてしまう状況で、なんとか生き残ろうという感じで走ってました(笑)」
Q
「今日のようなリスクを取って今までも走っているのでしょうか?」
ジャック・ミラー
「何回もありますよ。通常はそこまでカメラに映っていませんけど、今日はああいう映像が撮れていてラッキーでしたよね。オンボードカメラであれば、皆もっと驚くと思いますよ。ただ今日はある程度計算されたリスクだと思います。先週BSBのレースを見ていたんですが、路面が3℃でドライラインは30cmとかそんなもんで、皆狂ったように飛ばしてました。今日は路面温度も高かったですし、出来ないことはないだろうと思っていました(笑)」
Q
「Ducatiのバイクの性格がこういったセーブを可能にしているということはありますか?それともあなたの能力によるものでしょうか?」
ジャック・ミラー
「自分の力ではありません(笑)自分はただ、バイクにしがみついているだけでした(笑)こういった状況でスリックタイヤを履いて走る場合は、もうただバイクにしがみついて、無事に走れることを願っているだけですよ(笑)自分があのセクションでやっていたのはそういうことです。」
(Photo courtesy of michelin)