先日のアルゼンチンGPの運営側のゴタゴタを受けて、FIM会長のヴィト・イッポリトがインタビューに答える形で、改めてレースディレクションとFIMスチュワーズの責任分担について語っています。
Q
「FIM会長のヴィト・イッポリト氏に、2017年から導入されたレースディレクションとFIMスチュワーズの新たな役割について伺います。なぜこのような仕組みが導入されたのでしょうか?」
FIM会長 ヴィト・イッポリト
「ええ。過去3年に渡ってMotoGPのレース中のマネジメントを向上出来るかを検討してきました。過去にはレースディレクションが全ての責任を負っていた時代がありました。これはレースのマネジメントだけでなく、ライダーへのペナルティー付与に関してもそうだったんです。ただ、レースディレクションは非常に多忙で責任重大であるため、この2つの機能をわけることが出来たら、どんなに良いだろうかと考えていました。」
「ただ、レースマネジメントはいかにグリッドを決定するか、レースの中のデリケートなポイントでどうやってレッドフラッグを提示してレースに介入するか、ウェット/ドライレースの宣言などの決定をしており、それをジャッジするのはFIMスチュワーズです。現在はレースへのアプローチの方法、イベント自体が異なり、ジャッジが異なるためこの2つの機能を分けました。例えば今はジャッジはレースディレクターではありませんしね。」
Q
「FIMスチュワーズの役割について、また、いかにして選定されるのでしょうか?」
FIM会長 ヴィト・イッポリト
「彼らは専門的な役割を果たし、ライダーへのペナルティー付与のみを担当します。彼らは豊富な経験を持っており、レースの中で何が起きたか、ライダー達の行動やペナルティーに関わるその他の問題を分析することで、レースが終了するごとにこの経験を積む増していくことが可能です。スチュワーズの数は1つのチャンピオンシップにつき20人以上となりますが、MotoGPの場合はこうしたスチュワーズを少人数選定し、そのうち1人が毎戦固定、それ以外は交代していく形です。しかしMotoGPのスチュワーズを勤められる人選は限られていますけどね。 」
Q
「この新しい体制のアドバンテージは?」
FIM会長 ヴィト・イッポリト
「MotoGPのレースディレクションが忙しすぎ、レースのマネジメントをしながらペナルティーをライダー達に与えるということが出来ないんです。この2つの構造を分けることが出来れば、さらに良い結果が得られる考えています。最終的にはFIMスチュワーズが正しい判断を行い、レースの最中にライダーにペナルティーを課す事が出来るようになります。これは本当に重要なことなんです。私たちは公正であるだけではなく、それを示していく必用があり、そうしたことからも、構造を2つに分ける事を決めたのです。昨年からはFIMスチュワーズが、MotoGPのペナルティーに関して全ての責任を負っているのです。」
(Source: motogp, FIM)
(Photo courtesy of michelin)