その進退をザクセンリンクにおいて明らかにすると語っていたダニ・ペドロサの口から語られたのは「引退」という言葉でした。本当に多くの感動、そして全ての選手の模範となるスポーツマンシップをトラック内外で見せてくれたダニ・ペドロサに心から感謝したいと思います。ダニの口から語られた言葉をプレスカンファレンスからお届けします。
ダニ・ペドロサ
「皆さんお集まりいただきありがとうございます。まず最初にお伝えしたいのは、来年僕はチャンピオンシップに参戦しないということです。つまり、今シーズン限りでMotoGPにおけるキャリアを終えるということです。この決断に関してはずっと長いこと考えていたことなんです。これこそが自分が愛するスポーツですから、本当にこの決断は辛いものです。レースを続けるという素晴らしいチャンスはありましたが、今までのようにレースを楽しめていない実感があり、そして今の自分にとってはレース以外に優先すべき物事があるんです。こうした素晴らしい経験を、この人生で経験出来たことがいかに幸福であったかと思っているんです。これほど素晴らしいチームでファンの前でレースをしてきたというのは本当に素晴らしい人生でしたし、自分が思っていた以上のことを成し遂げることが出来たと思っています。ですから、このスポーツの中で成し遂げたことに関して本当に満足しているんです。」
「レーサーになるという子供のころからの夢を叶えることが出来ましたし、子供の頃にこの夢を実現出来るとは思っていませんでした。いつもTVでもそうですし世界選手権のライダー達の姿を追ってきました。ですから、この場をお借りして、ドルナ、ホンダにこの素晴らしい機会を1999年に与えてくださったことを感謝したいと思います。そしてモビスター、レプソル、レッドブル、アライ、アルパインスターズには、今までのキャリアで自分をサポートして支えてきてくれたことを感謝したいと思います。そして今日ここにも来ている家族にも感謝をしたいと思います。そして世界中のファンの皆さんにも今までのキャリアを通じて支えてくださったことを感謝したいと思います。過去のいくつもの辛い時を乗り越えられるようにメッセージを送ってくれましたね。ただ、これから自分は新たな人生を歩んでいきます。」(※会場大きな拍手)
カルメロ・エスペレーター
「ダニが最初にバイクに乗っていた時は本当に小さかったことを覚えています。その後ダニはMotoGPと共に素晴らしいキャリアを歩んできました。彼のレースへの姿勢というものは、まさに他のライダーにとっての模範となるものです。ですから、そうした事もあってFIM会長、IRTAのエルヴェ・ポンシャラルとも話し合い、ダニ・ペドロサをMotoGP殿堂にノミネートすることを決定しました。そして今年バレンシアにおいて、ダニはMotoGP殿堂入りをすることになります。これは彼がライダーとしてのキャリアを通じて成し遂げてきたことに対する、ささやかな称賛の気持ちです。ダニと過ごせた時間は、ドルナCEOとして本当に誇らしいものでした。そして今後も彼と共に歩んでいけることを願っています。ダニの決断は非常に正直で尊重されるべきものです。彼が現役を続けられるようあらゆる提案をしましたが、彼は彼の気持ちに正直であったということです。彼の引退をするという決断は、彼自信が語ったようにもうレースを楽しめてはいないということですが、誰もが同じ決断を簡単に出来るものではありません。ですから、改めて彼に感謝を述べたいと思いますし、彼が我々に示してくれた素晴らしい模範的な姿勢に関しても感謝を述べたいと思います。」(※会場大きな拍手)
ダニ・ペドロサ
「幸運にも沢山の思い出があります。でも。。(ダニ涙を浮かべる。。)その中でもやはりレースを始めたころの事でしょうか。自分は本当に小さくて。。あんなに多くのライダーがいる中で自分が選ばれるとは思っていませんでした。その時からここまで来れたということは。。本当に。。素晴らしいことでした。」
「この決断は随分と前から考えていたことなんです。確かに素晴らしいチャンスがありましたが、単純に自分のフィーリングの問題で、自分の人生とレースへのアプローチの仕方が変わったこと、そして自分自身に正直に考えた結果、引退することが自分の決断であったということです。」
「バルセロナでもお話したようにほぼ明確な方向性は見えていたんですが、新たなチャンスが出てきたことで、その可能性を否定せずにそのオプションを検討していたんです。こういった決断するのにより多くの時間をかけるのは良いことですから、時間をかけて検討していたんです。そして自分の周りにいる人々、家族などと共に相談をしていたんですが。。ただ、自分がこう感じた(引退をするということ)ということなんです。今の段階ではなんとも言えませんが、MotoGPは自分が愛した世界ですし、この世界に15歳からいますからね。多くのことを知っていますし、何らかの形で貢献出来ると思っています。」
(Photo courtesy of michelin)