スズキは2019年型のRM-Z250を発表。フレーム、スイングアーム、サスペンション、エンジンが新しくなり、パワー、トルクがUPしています。またホールショットアシストコントロール、トラクションコントロールシステムを装備し、見た目もシャープになりました。
エンジン
- 新型シリンダーヘッド、新型インテーク、エキゾーストポートによってエアフローと燃焼効率、ピークパワーが向上。
- 新型吸気カムプロファイル、バルブリフト量が上昇、全域でスロットルレスポンスが向上。
- カムチェーンテンショナーが新しくなり、素材変更によりメカニカルロスが低減。
- エアフィルターが30%大型化され、全域でエンジンスピードが向上。新型ツインインジェクターによって高速粋でのパワーが向上。
- メインインジェクターはスロットルボディー位置するが、セカンダリインジェクターがエアボックス付近に追加され、充填効率が向上。
- メインインジェクターの位置変更により、燃料がバタフライバルブにダイレクトに当たるようになった。これによって燃料の噴霧化が向上、燃焼効率とスロットルレスポンスが向上、これは17%向上したフューエルプレッシャーと新しくなったスロットルボディによる部分も大きい。
- ギアレシオの変更によってライダーフィールとスロットルのリニア感が向上。セカンドギアがハイレシオとなり、ファイナルレシオも変更されている。
- エキゾースト長が99mm先代モデルと比較して延長された。構造変更と内部マテリアルの変更で、全域でパワーが向上。しかし低速粋で最もパワーアップを果たしている。
シャーシ
- 新型フレームはねじり剛性が10%向上、重量を370g低減した。
- 製造プロセスの変更によりスイングアームの軽量化を達成。新型スイングアームはハイドロフォーミングにて製作され、溶接をなくすことで80g軽量化、テーパードクロスセクションとすることで剛性を向上、新型チェーンガードは30g軽量化されている。
- 六角形シェイプを使用したことで、新しいシートレールは剛性がアップしメンテンス製が向上。エアフィルターの脱着が容易になっている。
- 新しいフレームはエンジンを囲むようになっているが、エンジンマウントは8.5mm上方に移動しハンドリングを向上し、マウント剛性も向上している。エンジンマウントブラケットはスチール製からアルミ製となり90g重量を軽減。
- 新しいレンサルハンドルはよりストレート形状のもので、ライダーが体重をフロントに載せやすくなっている。ハンドル自体は7.4mm前方に、3.8mm下方にマウントされている、フットレストは3.3mm前方に、5.2mm上方にマウントされた。
- 新型の燃料タンクは312g軽量化されており、シートは274g軽量化されており、ライダーが移動しやすくなっている。
サスペンション
- KYBフルアジャスタブルサスペンションを装備。MotoGPからのノウハウによって軽量スプリングを装備し重量を370g軽減。リアサスペンションリンケージは15g軽量化されている。
ブレーキ
- 250mmから270mmに大径化されたことでストッピングパワーが向上。新しいブレーキパッドがよりリニアなフィールを実現。リアブレーキマスターシリンダーも新しくなり、泥が入りにくく、ブーツの引っかかりを低減している。
ホイール
- 新しいフロントリムは40g、リアリムは60g軽量化された。タイヤはDunlop MX33を装備。
電子制御
- 新しいホールショットアシストコントロール、トラクションマネジメントシステムを装備。
- ホールショットアシストコントロールは点火タイミングを最適化し、最適なローンチを実現。路面状況によって2モードから選択が可能。
- モードAは点火タイミングを遅らせ、パワーデリバリーをソフトにし、硬い路面やスリッピーなコンディションに対応。モードBはノーマルコンディション、グリップの良いダートに向けたもので、点火タイミングを進め、パンチ力溢れるローンチを実現。いずれのモードでも点火タイミングはシフトが4速にまで入った段階、スロットルが閉じられてから6秒後に通常に戻る。
- 左ハンドルバーにボタン/インジケーターランプが装備される、エンジンがかかっている状態でボタンを0.7秒押したままにするとモードAになりインジケーターが点滅。1.8秒ホールドするとモードBとなり、点滅スピードが早くなる。
- トラクションマネジメントシステムは、バイクのECUが記録するスロットルポジション、エンジン回転数、ギアポジションなどにより、点火タイミング、燃料噴射量を調整し、最適な出力とトラクションを実現する。
- このトラクションコントロールはロードモデルと異なるもので、リアホイールの空転をモニターするものではない。つまり、タイヤの空転によってトラクションをコントロールするわけではなく、常に最大のトラクションを実現するように設計されている。
(Photo courtesy of suzuki-racing)