2019スーパーバイク世界選手権(SBK)開幕戦のレース1が、2月23日にオーストラリアのフィリップアイランドで開催された。このレースで、ニューマシンのドゥカティ・パニガーレV4 Rを駆るAruba.it Racing – Ducatiチームのアルバロ・バウティスタが圧倒的な走りで優勝し、鮮烈なデビューを飾った。SBKのルーキーが初戦で優勝したのは2007年以来のことで、パニガーレV4 Rにとってもこのレースが初戦であることを考えると、この34歳のスペイン人ライダーの勝利は、まさに快挙といえるだろう。スーパーポールで予選3番手となったバウティスタは、オープニングラップで先頭に立つと、周回を重ねるごとに後続グループとのタイム差を広げ、このレースで2位に入ったジョナサン・レイ(カワサキ)に約15秒もの大差をつけてチェッカーフラッグを受けた。

チームメイトのチャズ・デイビスは、苦しい展開のレースとなった。他のマシンをオーバーテイクできない状況の中で、特にレース終盤にかけてリア・タイヤの激しい摩耗に悩まされ、徐々にペースを落とし、最終的に10位でフィニッシュした。

明日は、現地時間の12:00から10周で争われるスーパーポール・レースが行われ、15:00からはレース2の合計2回のレースが開催される。

アルバロ・バウティスタ(Aruba.it Racing – Ducatiチーム #19) 1位
「優勝できて、最高に満足している。スーパーバイク世界選手権の最初のレースで勝つことができて、本当に嬉しい!ウインター・テストを通して素晴らしい仕事をして、初戦に向けて戦闘力のあるマシンを仕上げることができた。予選用のタイヤを使うのは初めてで、どのような挙動を示すのかが分からなかったので、ポールポジションを獲ることはできなかった。しかし、決勝レースでは、速いペースで走れることは分かっていたので自信はあった。なるべく早くトップに立って、コンスタントなペースで走る戦略だった。特に終盤にかけてタイヤをいたわりながら走っていたが、それでも周回を重ねるごとに、後続とのギャップを開くことができた。本当に嬉しい。ドゥカティとArubaチームの全員に感謝したい。明日もこの勢いを維持したい」

チャズ・デイビス(Aruba.it Racing – Ducatiチーム #7) 10位
「今日は残念なレースになってしまった。素晴らしいスタートを決めて、レース序盤はペースも良く、上位グループになんとか食らいつくことができた。その後、突然リア・タイヤのグリップが大幅に低下してしまった。まるで砂の上を走っているようだった。なぜこのようなことが起こったのか、データを確認する必要がある。フィリップアイランドでの走り方は分かっているつもりだが、レース全体を通してあまり攻めることができなった。レースの3分の2はタイヤのトラブルを抱えていたので、思うように走れなかった。ニューマシンにまだ十分に慣れていないことが原因だと思う。トップ6には入れると思っていたが、それ程うまくはいかなかった」

マルコ・ザンベネデッティ(ドゥカティコルセ・トラック・テクニカル・コーディネーター)
「今日は、素晴らしい仕事をやってのけた!私たちが数年間かけてやってきたすべてのことが結果となって現れた。この新しいプロジェクトは、ドゥカティにとって歴史的なターニングポイントなると確信している。マシンの戦闘力が高いことは分かっていたし、高度なテクノロジーを持っていることも、成功するための仕事の方法も分かっていた。アルバロは、パニガーレV4 Rを勝利へと導いて、大きな喜びをチームにもたらしてくれた。彼は、非常に経験豊富なライダーだが、スーパーバイクというカテゴリーではルーキーだ。明日も優勝を目指す。また、チャズが本来の能力を発揮できるようにマシンのコンディションを整えたい。彼ならできるはずだ。優勝したとはいえ、まだ開幕戦の初戦を終えたばかりだ。やるべきことは山ほどある」

(Source: Ducati)

(Photo courtesy of Ducati)