ジョナサン・レイ、スコット・レディングはオンライン対談の中で、開幕戦フィリップアイランドを振り返る。高速コーナー、強い風、代わりやすい天候など、唯一無二の特殊なサーキットであるフィリップアイランドで、2人が何を考えてレースをしていたのかが語られる。

フィリップアイランドではタイヤ温存が難しい

スコット・レディング

フィリップ・アイランドではジョニーは1周目にコースアウトし、その後順位を挽回しようとする中で転倒してしまった。望んでいたようなシーズンスタートではなかったと思う。その後のスプリントレースでは見事優勝し、良い結果を得られる時もあればそうでないということを示していたと思うね。最終的にシーズンエンドに総合優勝を目指すわけだから、どこかで達成した1勝をただ喜ぶというわけではないからね。」

ジョナサン・レイ

「スーパーポールレースではトプラックが残り2周で迫ってきて、スコットもすぐ後ろにいたけど、あそこでスコットと接触があったね。レース2はレース1を完走しないで迎えたわけだけど、ウインターテストでの仕上がりは良かったし落ち着いて挑むことが出来た。序盤から激しくプッシュしてレースをリードし、タイヤを終わらせたくないと思っていたんで、レース2は可能な限りゆっくり走って、レースをリードしたんだ。

スコット・レディング

「確かにペースは非常にゆっくりだったね。俺の場合はWSBKでレース経験が無いから、皆がどんな走り方をするのか観察しないといけないと思っていたんだ。レース1でもサイクスがリードするのを後ろから眺めていたようにね。結局サイクスもリードした後に後退してしまったからね。」

ジョナサン・レイ

「そう。フィリップ・アイランドはユニークなトラックなんだ。2019年はアルヴァロが俺を抜いてレースをリードしていたけど、このトラックではタイヤを温存させるのが難しいので、俺は焦らず彼のペースが落ちるのをじっくり待っていたんだ。彼はルーキーでWSBKで走るフィリップ・アイランドがどんなレースなのか、わからなかったわけだからね。10周目くらいでペースが落ちると思っていたんだけど、彼は走り切ってそのまま優勝してしまった。

スコット・レディング

アルヴァロの場合は体重が軽いからね。タイヤの温度がより一定に保たれていたんだろう。それに体格も小さいから、俺が例えば2台、3台のスリップストリームについて走っていても、そのまま走っているアルヴァロのほうがストレートでは速いんだ。だから短いストレートがあってもそこがアドバンテージになる。俺が一人で走る場合は、タイヤをあまり発熱させないように風に逆らっていかないといけないわけだから難しいね。」

いずれにしても、WSBKでさらに走行を重ねてレースをして経験を積んでいきたいね。フィリップアイランドは特殊なサーキットで、ペースは遅いながらも、皆がそこでベストを尽くそうとしているわけだから。タイヤ温度がそこまで影響がないトラックもあるはずなので、色々な経験を積んでいきたいと思う。」

(Photo courtesy of Pirelli, Ducati)