今年で30周年となるテック3のチーム代表であるエルベ・ポンシャラルが、過去を振り返り様々なエピソードを紹介している。サテライトチームとして様々な成績を残してきたテック3だが、その中でも特に思い出深い3つを振り返る。
チャンピオンシップ1、2を250ccクラスで獲得した2000年
エルベ・ポンシャラル
「振り返るといくつか素晴らしい成績を残した年があります。2000年は年間を通じて中野真矢とオリビエ・ジャックが激しいバトルを行ったシーズンで、フィリップアイランドでオリビエ・ジャックのチャンピオンシップ優勝が決まりました。この年は単純にチャンピオンシップ優勝しただけでなく、オリビエと中野というチームメイトがチャンピオンシップ1位、2位を獲得した素晴らしい年でした。テック3にとってもヤマハにチャンピオンシップ優勝をもたらした年ということで非常に重要な1年だったんです。誰もがチャンピオンシップ優勝を目指すものですが、ヤマハのスタッフ、2名のライダーと共に懸命な努力を行い、勝ち取った優勝でした。」
自分達のMoto2マシンで優勝したカタルーニャ
「もう1つ忘れ難い思い出は、高橋裕紀が2010年にMoto2クラスで優勝したカタルーニャ戦です。モントメロでの優勝はシーズン中盤で、多くの観客が詰めかけ、タフなレースが展開されます。あのバイク自体もテック3がホームメイドで作り上げたマシンでした。自分達が1から作り上げたマシンで、高橋が表彰台の真ん中にいるというのは、まさに最高の瞬間だったんです。少人数で開発し、パーツ製造をし、何もかも自分達で成し遂げたんです。忘れることはない思い出ですね。冬の間に作り上げたバイクで、多くの困難を乗り越え、そして世界選手権で優勝するというのは、信じがたい経験ですよ。」
中野真矢が獲得した初の500cc表彰台
「500ccで初めて表彰台を獲得したのも中野と共にでした。確か2001年のザクセンリンクだったと思いますが、前年までは250ccクラスでタイトル争いをしており、500ccにステップアップしてから、いきなりトップチーム、世界最高のライダー、クルーとのバトルでした。中野はそこでラップレコードを記録して表彰台を獲得したんです。本当に誇らしかったですね。特に中野は前年にわずか0.014秒でタイトルを逃していますからね。そういうこともあっても初めての500cc表彰台は嬉しかったですよ。まだまだ沢山素晴らしい思い出がありますが、この3つがトップ3ですね。」
(Source: Tech3)
(Photo courtesy of Tech3)