FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)がポルトガルで開催されるのは今年で2回目ですが、今回のトラックは前回会場から200km以上北に位置しています。前回の会場はアウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェですが、今週末の舞台はポルトガルの首都からほど近いエストリルサーキットです。
17名のFIM スーパーバイク世界選手権(SBK)ライダー達と密接に作業をしているブレンボの技術者たちによると、エストリルサーキットは、ブレーキに非常に厳しいサーキットです。海に近いトラックであり、海風によってもたらされる砂がライディングに影響を与えるためです。
スーパーバイク用のブレンボブレーキ
WSBKで最も広く使用されているブレンボのブレーキパッドはZ04です。摩擦係数は50℃の段階で0.8を超えており、400℃までその性能は変わりません。このコンスタントなパフォーマンスはディスク温度が上昇しても安定しており、これによってフェード現象が発生しにくくなっています。
数名のライダー達はブレーキパッドをパッドラジエター(※ヒートシンクのようなもの)と共に使用しています。これらはホイール取り付けの邪魔にならないのに加えてブレーキフルードのオーバーヒートを防ぐ効果があります。
FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)第8戦におけるブレーキ
エストリルサーキットに存在する13箇所のコーナーのうち7つで、ライダー達はブレーキを使用します。これは1周につき30秒以上のブレーキの使用となり、MotoGPが前回2012年にレースをした際は、MotoGPライダー達は1周につき25秒間ブレーキを使用しました。MotoGP、FIM スーパーバイク世界選手権(SBK) いずれも、最初の4コーナーで、全体のブレーキ使用量の半分のブレーキを使用します。
FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)の場合、5箇所のブレーキングでバイクの速度は90km/hを下回りますが、ブレーキ使用前にバイクのスピードが180km/hを超えているコーナーは、そのうち3箇所です。そしてこれらのコーナーにおける減速Gは、いずれも少なくとも1.4Gとなります。
エストリル戦で最もブレーキに厳しいブレーキングセクション
エストリルサーキットの7箇所のブレーキングポイントにおいて、3つがブレーキにとって要求が高いとされており、残り4つが中程度とされています。
そのうち最もブレーキに厳しいのはターン1です。ここは986mのストレートに続くコーナーのため、SBKマシン速度は285km/hに達し、その中でライダー達は210km/h速度を落とし、ターン1に約75km/hで進入します。ライダー達はブレーキを6秒間使用し、減速Gは1.6Gにまで達します。
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(Source: Brembo)
(Photo courtesy of Brembo)