FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)のシーズン最終戦はポルトガルのエストリルサーキットで開催される。今回の最終戦でWSBK、WorldSSP300のチャンピオンが決定する。エストリル戦は6連覇を狙うジョナサン・レイとスコット・レディングの戦いとなり、WorldSSP300はBuisとDeroueがチャンピオンシップ優勝をかけて争う。この戦いに備え、ピレリ(Pirelli)はスタンダード、デベロップメント両方のタイヤを投入している。
チャンピオンシップ争いに注目
今週末のエストリル戦では、最高峰クラスのチャンピオンシップ争いに注目が集まる。ジョナサン・レイはタイトル獲得まで、あと3ポイントで、同時にコンストラクターズチャンピオンも今回のラウンドで決定する。現在カワサキは336ポイントで、2位のDucatiを26ポイント上回っている。
WorldSSP300ではコンストラクターズチャンピオンはカワサキに決定しており、これは2018年以来連続となる。ライダーズチャンピオンシップについては、Jeffrey Buis、Scott Deroueの2人がチャンピオンシップ争いを展開しており、両者の差は25ポイントだ。
エストリルサーキット
エストリルは1988年にはじめFIM スーパーバイク世界選手権(SBK)を開催、1993年にもレースを開催している。そして今回は27年ぶりとなるレース開催となった。エストリルサーキットは非常にテクニカルなサーキットで、タイヤにとって様々な理由で要求が厳しいサーキットとなる。
まずは左右のコーナー数に違いがあること、右コーナーはその全てが高速コーナーであること、左コーナーは低速コーナーが多いこと、そして間に1km弱のストレートをはさみ、これらの特性がタイヤとバイクにとって大きなストレスとなる。
WorldSBK、WorldSSPクラスのタイヤ
WorldSBKクラスではレインタイヤを含めて5本のフロント、7本のリアタイヤが使用可能だ。
スリックフロントはスタンダードSC1ソフトコンパウンド、スタンダードSC2ミディアムコンパウンド、そしてデベロップメントSC1 Y1231で、このタイヤはライダー達がウインターテスト、シーズン序盤のヨーロピアンラウンドで使用したもの。これはスタンダードSC1よりソフトなコンパウンドで、さらなるグリップと接地感を得られる。構造的には横方向の力が加わった時にさらなる推進力を発揮するもの。
リアタイヤに関しては全部で7種類のタイヤが存在する。スタンダードSCXのスーパーソフト、今シーズン最も多く使用されているスタンダードソフトコンパウンドのSC0、デベロップメントY0966のミディアムコンパウンドは接地面を増やした設計で、スタンダードSC1より高い性能を発揮する。
レインタイヤはマニクールで登場したデベロップメントX1251投入される。これはウェット状況でさらにグリップを発揮するコンパウンドを使用し、気温が低いコンデイションで最適なタイヤだ。デビュー戦となったフランスでも素晴らしい評価を得ている。そして最後にインターミディエイトタイヤ、加えて予選専用のスリックタイヤも使用可能だ。
フロント:WorldSBKライダー1名ごとのスリックタイヤ割当て本数
オプションA/SC1 SOFT Y1231/7本
オプションB/SC1 SOFT STANDARD/9本
オプションC/SC2 MEDIUM STANDARD/5本
リア:WorldSBKライダー1名ごとのスリックタイヤ割当て本数
オプションA/SCX SUPERSOFT STANDARD/6本
オプションB/SC0 SOFT STANDARD/10本
オプションC/SC1 MEDIUM Y0966/6本
オプションQ/QUALIFIER EXTRASOFT X0684/1本
WorldSSPクラスでは2種類のフロントタイヤが使用可能で、スタンダードソフトSC1と、スタンダードミディアムSC2となる。リアは3類でソフトコンパウンドのSC0とミディアムコンパウンドのSC1、さらにミディアムコンパウンドのデベロップメントY1006が使用可能だ。加えてインターミディエイト、レインタイヤが使用可能となる。
フロント:WorldSSPライダー1名ごとのスリックタイヤ割当て本数
オプションA/SC1 SOFT STANDARD/9本
オプションB/SC2 MEDIUM STANDARD/9本
リア:WorldSSPライダー1名ごとのスリックタイヤ割当て本数
オプションA/SC0 SOFT STANDARD/9本
オプションB/SC1 MEDIUM STANDARD/7本
オプションB/SC1 MEDIUM Y1006/4本
(Source: Pirelli)
(Photo courtesy of Pirelli)