タイトル獲得へ冷静な視線 Ducatiでの勝利とポイント重視の姿勢
マルク・マルケスはオーストリアGPを前に、勝利への意欲と共にチャンピオンシップにおけるポイント維持の重要性を語った。過去にこの地でDucatiに敗れてきた経験を踏まえ、今回は同じDucatiのマシンで勝ちたいと話す一方、あらゆる状況をコントロールしながら、安定してポイントを獲得することを優先するとしている。また、バラトンパークでのテストではセクターごとの比較を行い、新しい電子制御に対しては安全性を認めつつも、ライダーの個性が発揮しにくくなる点に複雑な思いを抱いている。優勝回数にはこだわらず、目の前の一戦一戦で最善の結果を求める姿勢を示した。

マルク・マルケス
「今週末ここで勝てるかどうかはわかりません。もちろん優勝を目指しますが、何よりもチャンピオンシップにおいてポイントを維持することが重要になります。ここではDucatiのレッドのバイクに何度も負けていますから、今回はレッドのバイクで優勝したいと思います。ただし、これは最重要というわけではありません。もちろん後半戦スタート時点で120ポイントのリードがある状態でチャンピオンシップ優勝を逃すとしたら自分が原因です。自分をしっかりとコントロールして行く必要があります。そういう意味ではすべてのセッション、すべてのコンディション、すべてのレースで最速である必要性はありません。すべての状況をコントロールする必要がありますが、重要なのは可能な限りのポイントを獲得していくことです。」
「バラトンパークではパニガーレV4でテストを実施しました。そこまで難しいトラックではありませんし小さいながらも悪くないトラックです。チャンピオンシップにおいてはいろいろなサーキットが必要です。Ducatiライダーが走行しましたが、自分はセクター1、アレックス、フェルミンはセクター2、ペッコはセクター3が速いなどもわかりましたね。」
「新しい複雑な電子制御が登場すればするほどライダーごとの差を発揮することが難しくなります。新しいエレクトロニクスをアラゴン、マレーシアで試しましたが、確かに操縦は楽になります。ただ、バイクがすべてをやってくれるということですから、ライダーとしては好きではありません。安全性が高いとは思いますが、メーカーに寄っても考えは異なるでしょうね。」
「100勝目もいつか続けていけば到達できると思いますが、優勝数にはこだわりはありません。自分がこだわっているのは優勝することです。多くのレースで優勝したいですが、チャンピオンシップが重要です。シーズン後半を考えると優勝を狙うのではなくて、ポイントを獲得することにこだわっていきたいですね。」