レース前はチャンピオンシップは意識しないと語ったミルだが、今回のレースでは明らかに追いつけそうにないフランコ・モルビデッリ、アレックス・リンスを追うのは諦め、チャンピオンシップにおいて貴重なポイントを獲得することにしたと語る。周囲の状況を見ながらの落ち着いたレース展開、今年誰よりも多く表彰台を獲得している安定感を考えると、優勝せずともチャンピオンシップ優勝が出来そうな勢いだ。
トップの2人に追いつけるスピードはなかった
ジョアン・ミル
「今日の結果は満足しています。レース前は12番手スタートでしたし、今週は先週の走行から多くの選手がスピードを発揮してきましたから、厳しい週末になると思っていたんです。今日は序盤に他のライダーに詰まらないように、なるべく速くトップに近づくべくレースを展開しました。」
「前にフランコとリンスが見えましたが、彼らに接近出来るだけのスピードが足りず、似たようなスピードでの周回でした。自分も終盤にもう少し追い上げることが出来ると思っていたんですが、今日は彼らのレースでした。次回のレースでまた優勝を狙っていきます。」
「他のトラックでは正直どうなるかわかりません。ただ先週のほうがリアタイヤのパフォーマンスが良かったですね。リアタイヤは今回速く摩耗してしまったと感じます。しかしこのような走行がバルセロナで出来るかわかりません。それに今日はフランコのタイヤセーブが上手でしたね。リンスは後ろから見て苦戦しているのがわかったんですけどね。」
今まで以上にミスが出来ない状況になってきた
「今まで以上にミスが出来ない状況になってきたと思いますね。常に速く走ることを意識していかねばなりませんが、速く走ろうとすればミスをする可能性が高まります。重要なのはこれらのバランスを取ることです。」
「今回は出来る限り100%の力で走行しようと思っていました。バイクのフィーリングはベストではなかったですが、リンスとフランコに追いつくことは出来ました。ただ彼らを追う中で転倒しそうになったこともあり、今回はこの位置でレースを終えたほうがいいなと考えました。4位との差は2〜3秒近くありましたしね。」
「3年前2017年にMoto3でチャンピオンシップ争いをしていた状況と異なるのは、Moto3は開幕戦で優勝したことでチャンピオンシップ争いに常にプレッシャーを感じていたわけで、チャンピオンシップにおけるポイント差も大きかったんです。今回はシーズン序盤ではチャンピオンシップ争いに参加していませんでしたし、多くのライダーがチャンピオンシップ争いをしていますから、ミスが出来ないと感じています。」
残りの3戦でもスピードとポイントの妥協点を探していく
「残りの3戦でも戦略は変えません。常にスピードを発揮すること、ポイントを獲得することの妥協点を探しながらレースをしていきたいと思います。シーズン終了間際になってくると、スピードとポイントの妥協点をしっかりと意識しながら走る必要があるんです。自分にとってはバレンシアでの2戦は戦力を発揮したいと思いますし、それが終わればこうしたことをあまり考えずに済むでしょうね。」
「今年はスピードを発揮出来ていたんですが、良い位置で戦うことが出来ませんでした。おそらくブルノ、オーストリアあたりでマインドを切り替えることが出来たんです。何がどう変わったのかわかりませんが、オーストリアからバイクに快適に乗ることが出来るようになったんです。」
(Source: suzuki-racing)
(Photo courtesy of michelin)