ヤマハとマーべリック・ビニャーレスはシーズン終了を待たず、即時の契約解消で合意した。マーべリック・ビニャーレスは、スティリアGPでM1のエンジンを故意にブローさせようとした行為により、チームからオーストリアGP参戦のエントリーを取り消され、彼の行った行為からシーズン途中での契約解消もあり得るとされていた。

今回のニュースはそれが実現に移されたということだが、実質的にファクトリーチームが契約中のライダーを解雇(に近い状況)したという事例は、最高峰クラスに関して言うとMotoGPに移行してから前例のない事態となった。

なお、ジャービスもビニャーレスが将来に向けて動き出せるだろうと語っていること、即時有効な契約解消のため、シーズン終了を待たずに負傷中のロレンソ・サヴァドーリに変わって年内からアプリリアで走るマーべリック・ビニャーレスの姿を見られるかもしれない。[adchord]

(※ヨハン・ザルコの場合は、彼自身がKTM側に辞めたいとシーズン中に伝えていることが発端)
MotoGP2021イタリアGP 予選13位マーべリック・ビニャーレス「再びバイクを良い形に仕上げていきたい」

2021年末まで互いに全力を尽くすはずだった

リン・ジャービス

アッセンを終えた時点で、ヤマハとマーべリック・ビニャーレスは2022年までの契約を1年早く、2021年の終わりで終了することを決めました。両パーティーの合意により、2021年シーズンは互いに全力を尽くすことを決めていました。チームはライダーをフルサポートし、ライダーは全力でそれに応える形で、このプロジェクトを”しっかりした形”で終えることが出来るはずでした。

しかしながらスティリアGPのレースを良い形で終えることは出来ず、ヤマハ、マーべリック・ビニャーレスとの話し合いにより、両パーティーにとって契約をさらに早めに終えることが、両者のためになるだろうと判断しました。マーべリック・ビニャーレスとヤマハが袂を分かつことで、ライダーは彼自身が選んだ将来に向けて動き出すことが出来るでしょう。また、チームも彼に代わるライダーと共に残りのレースに集中することが出来るでしょう。」
マーべリック・ビニャーレス
「ヤマハはマーべリック・ビニャーレスと共に過ごした素晴らしい思い出をこれからも大切にしていきますし、4年半の時間で共に達成した8勝、24回の表彰台獲得、2017年と2019年に達成した年間総合3位という内容に感謝しています。マーべリック・ビニャーレスの将来が素晴らしいものになることを願っています。」

素晴らしい機会を提供してくれた事に感謝している

マーべリック・ビニャーレス

アッセンでヤマハと1年早く契約を終了することで合意して両者が協力して今シーズンを戦っていくことを決めていました。しかしスティリアGPは、残念ながら互いに望んだ形で終えることが出来ませんでした。」

「その後ヤマハとの話し合いの中で、即時に契約を終了することが両者にとって最善の判断であろうということで合意しました。ヤマハには素晴らしい機会を提供してくれたことを感謝しています。」

「4年半の間にヤマハが提供してくれたサポートに感謝していますし、共に達成出来た結果を誇りに思っています。ヤマハのことを常に尊敬していますし、彼らの今後の成功を願っています。」

(Source: yamaha-racing)

(Photo courtesy of michelin)