メインスポンサーのペトロナスからのスポンサードが2022年は得られなくなるという発表があった後、MotoGPクラスのみに専念して2022年を戦うと予想されていたペトロナス・セパン・レーシングチームだったが、2021年限りで全クラスへの参戦を終了することが明らかになった。
なお、2022年はチーム代表のラズラン・ラザリ、ヨハン・スティグフェルトが新たなチームを組織してMotoGPクラスに参戦する。新しいチームとスポンサーについては9月16日に開催されるサンマリノGPで発表されるという。
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ペトロナス・セパン・レーシングチームは2018年から今の体制を作りあげ、2019年からは全クラスでの参戦を開始。チームはマレーシア国営の石油企業ペトロナス、セパン・インターナショナル・サーキットからスポンサードを受けていた。
MotoGP参戦チームのペトロナス・ヤマハ・SRTは4戦目にしてフロントローを獲得。 7戦目にして表彰台を獲得した。2020年にはヤマハのサテライトチームとして約20年ぶりに優勝。 チームスタンディングで2位、フランコ・モルビデッリがライダーズランキング2位を獲得していた。
過去3年間の中で、 ペトロナス・セパン・レーシングチームは全クラスで表彰台を獲得、Moto3、MotoGPクラスでは優勝を獲得している。
チーム代表 ラズラン・ラザリ
「この数年間、素晴らしい旅路でした。2015年のスタートから、2018年にはMotoGPの最高峰クラスへエントリーする方向性を決め、MotoGPチームをゼロから作り上げました。2019年にMotoGPクラスに参戦すると、ルーキーシーズンのわずか4レース目でフロントローを獲得しました。そして7レース目には表彰台に上ることができました。」
「2020年には、ヤマハのサテライトチームとしては20年以上ぶりの優勝を果たし、チーム、ライダーズランキングでも2位を獲得しました。そして2021年には、史上最高のライダーであるバレンティーノ・ロッシと一緒にレースをしており、これは本当に信じられないような話です。」
「チームはバレンシアで最後のレースに挑みますが、スタッフ、ライダー、ファン、パートナーの皆様に感謝しています。ペトロナスの存在なしにはこのようなレースは不可能でしたから、彼には大きく感謝しています。共にペトロナスブランドとマレーシアの専門知識を披露し、期待をはるかに上回るほどのブランド露出とメディアによる報道の機会を持ちました。」
「また、セパン・インターナショナル・サーキットには、今後のマレーシアの才能を長期にわたってサポートしてくれたことにも感謝しています。マレーシア人ライダーがMotoGP世界選手権で表彰争いをすることを見るという夢を追っていました。残念ながら短いチームの歴史の中で、この夢を達成することはできませんでしたが、あらゆる面で大きな成功を収めることができました。」
「今年はまだ終わっていません。全3クラスで引き続き最高の結果を追い求めていきます。」
ヨハン・スティグフェルト
「この3年間、素晴らしい機会を与えてくれたペトロナスに感謝していますし、一緒に成し遂げたすべてのことに感謝しています。短期間で3カテゴリーで素晴らしいチームを設立し、長期的なプロジェクトにしたいと考えていたので、このプロジェクトを継続できなかったことが残念です。素晴らしいスタッフ、素晴らしいライダー、そして素晴らしいパートナーやファンの皆様に支えられてきたことに感謝しています。」
「2015年から提携しているセパン・インターナショナル・サーキットにも感謝しています。当初2人のライダーで始まったMoto3チームから、MotoGPのパドックに存在する最も大きなチームのひとつに成長することが出来ました。セパン・インターナショナル・サーキットの協力がなければ、このようなことは実現出来なかったでしょう。」
「2019年にはジョン・マクフィーがル・マンでMoto3クラス初優勝を達成し、同じ年にはヘレスで開催されたスペインGPでファビオ・クアルタラロがMotoGP初のポールポジションを獲得しました。2020年には、ファビオとフランコ・モルビデッリがMotoGPクラスで6勝を挙げました。この3年間には素晴らしい思い出がありますが、今は最高の形で2021年を終えるために、今シーズンの残りに目を向けています。」
「同僚というだけでなく、この数年間で真の友人になったMoto2とMoto3のチームの皆には本当に感謝しています。彼らは我々の成功、組織づくりの部分で大きく貢献してくれましたので、彼らに別れを告げるのはとても辛いことです。本当に彼らには感謝したいと思います。」
「将来に向けて、私たちには新しくてエキサイティングなプロジェクトがあります。私たちはMotoGPパドックに残り、新しいチームとしてスタートします。それまでは、2021年シーズンの残りレースを全力で駆け抜けたいと思います。」
(Source: sepang racing team)
(Photo courtesy of sepang racing team, michelin)