史上もっともスポーティなムルティストラーダ:ドゥカティが新型ムルティストラーダ V4 パイクスピークを発表
- MotoGPにヒントを得た新しいカラーリングを採用した新型ムルティストラーダ V4 パイクスピークは、史上もっともスポーティなムルティストラーダ
- 正確、直感的、軽快、そしてパワフル:170psを発生するV4グランツーリスモ・エンジンを搭載したV4 パイクスピークは、ワイディングロードでその真価を発揮
- ムルティストラーダ V4 パイクスピークは、そのスポーティな本質を頂点へと引き上げるために開発されたデュアルパーパス・バイク
- 専用のライディング・ポジション、オンロード用のスポーツタイヤを履いた17インチ・フロントホイール、片持ち式スイングアーム、オーリンズ製サスペンション、まったく新しいレース・ライディングモード
ドゥカティは、ドゥカティ・ワールド・プレミア2022 ウェブシリーズのエピソード3で、新型ムルティストラーダ V4 パイクスピークを発表する。パイクスピーク・バージョンはドゥカティのデュアルパーパス・バイク・ファミリーにおけるスポーティな本質をもっとも体現したモデル。
アメリカのパイクスピークで開催されていたヒルクライレースのトリビュートモデルという位置づけであるが、カーリン・ダンの悲劇的な事故死によってパイクスピークの2輪部門は中止となっている。
ムルティストラーダ V4 パイクスピークは、高い評価を得ているムルティストラーダ V4のプラットフォームをベースに開発されたもの。優れたベースを基に、新型ムルティストラーダ V4 パイクスピークは、新しいシャシのセットアップ、卓越したエルゴノミクス、高度なエレクトロニクス、数多くの専用コンポーネントを採用し、ムルティストラーダ V4と比較して、スポーティなキャラクターを大幅に強化した。
この新プロジェクトの開発作業は、ムルティストラーダ V4ファミリー独自の要素を進化させることから始まった。同時に、パイクスピーク・バージョンの大きな特徴となっている2つの要素、つまり17インチのフロントホイールと片持ち式スイングアームを融合する作業が行われている。
そのスポーツ志向のキャラクターをさらに強調するため、新型ムルティストラーダ V4 パイクスピークには、アクラポヴィッチ製チタニウム/カーボン・サイレンサー(型式認証済み)に加え、カーボンファイバー製の幅広いコンポーネントを装着。低い位置に設置されたスモークタイプのフロントスクリーン、アルマイト仕上げのゴールドレッグを備えたオーリンズ製フロントフォーク、V4ロゴを備えたブラック&レッドのツートーン・シート、“ビーク”(くちばし)に装着されたドゥカティコルセ・ロゴなどがスポーツマインドを高めてくれる。
足回りの最大の変更点は、17インチのフロントホイールを採用している点。このホイールを中心にシャシを開発したことにより、優れた精度とレスポンスが実現している。タイヤはオンロード用のスポーツタイヤが装着されており(サイズ:フロント120/70、リア190/55-17)、ムルティストラーダ V4 Sよりも2.7kg軽いマルケジーニ製鍛造アルミホイールを装着することにより、車両のダイナミックな挙動がさらに改善され、車両全体の重量削減に貢献している。(ムルティストラーダ V4 Sと比較して4kgの軽量化)
オーリンズ製Smart EC 2.0サスペンションは、パニガーレ V4 Sやストリートファイター V4 Sにも採用されている「イベントベース」モードを備えており、スポーツ・ライディングにおける優れたパフォーマンスを実現。このモードは、ユーザーのライディング・スタイルに応じて設定を自動的に調整することが出来る。アルミニウム製モノコックフレームは、ステアリングヘッドの角度を(ムルティストラーダ V4の24.5°から25.75°へ)変更することを目的として刷新され、トレールおよびホイールベースのジオメトリーは、モーターサイクルのさまざまな利用条件に応じて再調整されているという。
新型ムルティストラーダ V4 パイクスピークのブレーキは、パニガーレ V4から直接派生した、セグメント最高のシステムが装着されている。フロントには、330mm径のダブル・ディスク、ムルティストラーダ V4 Sと同じブレンボ製Stylemaモノブロック・キャリパーに加え、パニガーレ V4のパッドが奢られている。リアは、265mm径のシングル・ディスクとブレンボ製フローティング・キャリパーの組み合わせとなる。
新型ムルティストラーダ V4 パイクスピークは、ムルティストラーダ V4と比較すると、ライディング・ポジションは完全に新しくなっている。フットペグはより高く、より後方へ移動しており、リーンアングルを最大化する一方で、ハンドルバーは、より低く、より狭くなり、ハンドルの曲がりが少なくなっている。結果的に高い快適性を維持しながら、スポーティなライディング時に、より優れたフィーリングを得ることができるようになった。
エンジンはV4グランツーリスモ・エンジンを搭載。最高出力は170ps、最大トルクは125Nm@8,750rpmのエンジンは、ドゥカティがムルティストラーダ V4ファミリー用に特別に開発したもので、非常に軽量(エンジン単体重量:66.7kg)でコンパクト。排気量1,160ccのV4グランツーリスモ・エンジンは、セグメント最高のパワーとトルクを発生。さらに、V4 グランツーリスモは、優れた多用途性と堅牢性も備えており、メインテナンス間隔は、この種のエンジンとしては異例の60,000kmに設定されている。
ムルティストラーダ V4 パイクスピークには、ムルティストラーダ・モデルとしては初となる、レース・ライディングモードが導入された。レース・ライディングモードを選択すると、よりレーシーなレブリミッターが採用される。ライダーは高回転域において、よりスポーティで効果的なシフトチェンジを行うことができるようになり、よりアグレッシブなシフトダウンが可能になると同時に、ハイ・パワーモードにおけるスロットル・レスポンスもよりダイレクトなものになっている。
ムルティストラーダ V4 パイクスピークは、最新世代の高度なエレクトロニクス・パッケージをムルティストラーダ V4 Sから受け継いでおり、アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)およびブラインド・スポット検知(BSD)機能を統合した前方用および後方用レーダーが標準装備されている。
(Source: Ducati)
(Photo courtesy of Ducati)