MotoGP2022レプソルホンダ サンティ・エルナンデスとラモン・オーリンのインタビュー

MotoGP2022レプソルホンダ サンティ・エルナンデスとラモン・オーリンのインタビュー

MotoGP2022レプソルホンダ サンティ・エルナンデスとラモン・オーリンのインタビューいよいよ2022年シーズンの開幕が今週末に迫るMotoGPだが、レプソルホンダは開幕前にマルク・マルケスのレースエンジニアであるサンティ・エルナンデス、そしてポル・エスパルガロのレースエンジニアであるラモン・オーリンにインタビューを実施。2人がライダーについて、今年大きく姿を変えたRC213Vについて語っている。

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Q

「ライダー達はエンジニアの意見を聞くものですか?アイディアの提案とフィードバックを聞くことのバランスはどうしているのでしょうか?

ラモン・オーリン

「時にライダーは私達の言葉を聞きますが、そのうち何割を実際に参考にしているかはわかりません。通常はライダー達はこちらからのアドバイスを参考にしようとしてくれますが、トラック上にライダーがいる時、状況が変わるような時はアドバイスは聞き入れられません。彼らにとっては今の状況が優先ということですね。」

サンティ・エルナンデス

「チーム全体のデータから最適なアドバイスを常にしていますが、ライダーからのフィードバックも非常に重要です。彼らもまた真実を持っているわけですからね。主にライダーのフィーリングから問題が生じている場合は、ライダーの意見をより聞いたほうがいい場合があります。」

「フラッグtoフラッグレースの場合は、ライダーの意見こそが違いを生み出しますので、ライダーの意見をより重視しないとならないかもしれませんね。」

「別の状況ではライダーの方が我々の意見を聞く場合もあります。我々の方がすべての情報やデータを持っていますからね。いずれにしても、すべての意志決定はライダーと我々双方で行うものです。」

Q

「マルケスのチームがポル・エスパルガロのチームを助ける場合があるんでしょうか?」

ラモン・オーリン

「マルク・マルケスはチャンピオンです。このバイクのことを9年近く理解しています。マルクがあるアイテムについて意見を述べる場合、正しいことが多いですね。ですからポル・エスパルガロにもその内容をフィードバックして試してみることが多いです。」

「マルケスが基準点であることは変わりませんから、ポルの意見が異なっていても試して、マルクの意見に従った形でテストはしてみることになります。」

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Q

「逆にポル・エスパルガロのチームがマルケスの助けになることはありますか?」

サンティ・エルナンデス

「常に別のガレージの意見は参考になります。特にここ2年間は完璧な状態で戦えてはいませんから。ラモンにとっても毎年ライダーが変わることは難しい状況です。ライダーのことを知っていれば、次の1年は違うアプローチで最初から挑んでみることも可能です。」

「今年はポル・エスパルガロのことが理解出来ていますから、ラモンの仕事が楽になることを願っています。すべて情報は重要ですから、HRCライダー達は互いに助け合っていますね。」MotoGP2022レプソルホンダ サンティ・エルナンデスとラモン・オーリンのインタビュー

Q

「ラモンから見たマルク・マルケスの印象は?」

ラモン・オーリン

「マルクは大変な働き者で、消して諦めない姿勢の持ち主です。これはライダーとしても人としても素晴らしい姿勢です。こういう人物がチームにいるのは重要なことです。」

Q

「サンティから見たポル・エスパルガロの印象は?」

サンティ・エルナンデス

「彼は常に改善を考えているライダーです。勇敢で諦めを知らないライダーです。HRCがこういったライダーと契約出来ているのは良いことです。今年は新しいバイクですが、良い結果を得られるといいですね。チームにとっても重要になるでしょう。」

Q

「ラモンが思うにサンティはどんな人物ですか?」

ラモン・オーリン

「彼はグッドガイですし、働きやすいです。仕事をする上で強固な関係性があるのは重要です。彼はとても正直に意見を伝えてくらますし、彼のアクションは常にチームを思ってのものです。」

「内部にこうした正直な人間がいるのは良いことです。ライダー同士がライバル関係であっても、最終的に目指すのはパドック上で最高なバイクを用意することですから。」

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Q

「サンティが思うにラモンはどんな人物ですか?」

サンティ・エルナンデス

「ラモンのことはShowaで働いていた時から知っています。よく一緒に仕事をしました。過去に彼がチームでしていた役割も含めて、彼はパドック上でリファレンスになる人物でした。多くの経験を持ち、知識も深い人物です。HRCにとって彼のような人物を抱えていることは本当に重要なことです。」

「彼の実力の凄さは結果からはなかなか見えないかもしれませんが、彼の豊富な経験と知識が何よりの財産です。こうした集団で1つのポジションにずっといる事自体、素晴らしい仕事をしていることの裏返しなんです。」

Q

「2022年シーズンに向けての抱負は?」

ラモン・オーリン

「今年は同じライダーで挑むことになります。通常はライダーのコメントやリクエストを理解するのに役立ちます。昨年からバイクが苦手としている部分が改善されているかが気になりますね。」

Q

「マルク・マルケスと12年間共に過ごしていることについて」

サンティ・エルナンデス

「同じライダーと長年連れ添っていると作業は楽になっていきます。しかし周囲が改善を続け、ホンダにも弱点がありますから難しいことには変わりありません。過去の弱点を新しいバイクで改善出来ていることを願っています。努力を重ねてトップに立ちたいと思っています。」

ラモン・オーリン

「コンセプトの異なるバイクに乗り換えると序盤はラップタイム面で非常に苦戦しますよね。しかし乗り続けていく中で、ライディングスタイルの変更の必要性について徐々に理解が出来ていきます。」

「バイク自体が異なるライディングスタイルを要求するんです。コーナーへのエントリー方法、ブレーキのかけかた、リア、フロントブレーキの使い方含めて異なってくるはずなんです。」

Q

「マルクの2022年のバイクへのリクエストは?」

サンティ・エルナンデス

「マルク・マルケスの2022年へのリクエストはコーナーエントリー時の安定感です。そしてさらなるグリップ、ストレートでのさらなるパワーです。これは彼のニーズであり、HRCのニーズです。多くのライダーがストレートでのさらなるパワーを求めています。」

「さらなるブレーキの安定感、コーナー立ち上がりのグリップもそうです。そしてこれはHRCが望むことでもあります。しかし、ストレートでさらなるパワーがあれがラップタイムを簡単に手に入れられる反面、ライダーはその扱いに苦戦することにもなるんです。」

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MotoGP2022レプソルホンダ サンティ・エルナンデスとラモン・オーリンのインタビュー

Q

「2022年型のRC213Vについて」

ラモン・オーリン

「昨年はいろいろな問題がありました。特に問題が大きかったのはリアタイヤです。2022年のプロトタイプが出来上がった段階で、リアタイヤの問題の改善が確認出来ました。特にポルはリアのグリップを欲しがっていましたから。ポル・エスパルガロにとってはとても良い方向性ですし、皆にとってもそうでしょう。」

「リアのグリップが高いことで起きる問題もありますが、そのためにも改善を続けていきます。そのためにテストを実施する側面もあります。エンジンに関してはやや改善出来ているといったところでしょう。」

サンティ・エルナンデス

「我々のガレージは新しいプロトタイプバイクを初めてテスト出来たのはミサノなんです。ヘレスではテスト出来ていませんからね。コンセプト自体が異なるバイクですから、全く新しいバイクという意識で受けとめています。エンジン、バイク自体、エアロダイナミクス、多くの点が異なっています。」

「既存のバイクより良くなっていることを願っていますが、ポテンシャルは高いと思っていますし、新しいバイクは興味深いですね。完璧なバイクではないでしょう。しかし、完璧なバイクに近づけると思います。」

Q

「今年の目標は?」

ラモン・オーリン

「パドックの誰にとってもタイトル獲得が目標です。我々にとってはまずは自分達のレベルを確認し、常にトップ争いをすること、タイトル争いをする事が目標となります。数戦後に立ち位置が分かり、何を目指すか決める事が出来ると思います。状況次第ですが目標は高く持っています。」

サンティ・エルナンデス

「過去2年間はタイトル争いから遠ざかっていますから、今年はベストを尽くしたいと思います。でもマルクのようなライダーと仕事をしていると、やはりタイトルを目指したくなるものです。いくつかレースをこなした後に自分達の立ち位置と現実的なゴールが分かってくると思います。今の目標は2022年のタイトルをマルクと獲得する事です。」

「過去2年間はベストと言える状態ではありませんでした。2019年の成績は2位がワーストリザルトでしたから。しかし大事なことは自分がしている作業を結果が出なくても信じることでしょう。」

「もちろんライダーは常にベストを尽くしたがるものですが、自分達の仕事内容が悪いのではと考える必要はないんです。自分の仕事に疑いを持つ事もありますが、私の場合は常に自分の仕事を信じて、いつもと同じことを続けようとしています。最終的には結果が内容を語るわけですが、大事なことは自分の仕事を信じてその時を楽しむことです。」

(Source: HRC)

(Photo courtesy of HRC)

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