マルケスチームの重要人物の1人であるサンティ・エルナンデスが、MotoGPクラスにおけるテストについて説明しています。時間を最大限使って、様々な可能性を探していくということ、新しいパーツがパフォーマンスを向上させるか悪化させるかの理解こそが最も重要とのこと。

サンティ・エルナンデス

「ご存知のように、チームのタスクの1つは新しいパーツ/部品を試すことなので、いくつものテストを行うことになります。テストを計画する時、まず考えるべきことはどこでテストを行うのか?ということです。最適なサーキットはそのバイクが競争力を発揮出来る場所で、様々な種類のコーナーがあり、テストしたい部品の評価が出来るサーキットとなります。」

「通常、来シーズンに向けてその年の終わりにサーキットの予約をしておくことになります。ただ今年はプライベートテストの時間がありませんから別の話です。今年はIRTAがスケジュールを入れる通常のテストに参加していくことになります。」

「テストはレースと比較するとプレッシャーが少ないですが、遊んでるわけではありませんよ。メンタルとプロ意識はレースの際と同様です。大きな違いはタイヤ、サスペンションのテスト、セッティングを行う際に時間の制限がないということです。」

テストの中では結論を出すことを急がず、ポジティブかネガティブかに関わらず、時間を最大限使って異なる可能性を探し続けるんです。速く走るということは最も重要なゴールではないんです。どのパーツや要素のテストが終了しており、それがパフォーマンスを向上させるか、悪化させるかを理解することが重要なんです。」


こうした分析を行うために、出来る限り多くのデータを収集するということが重要です。テレメトリーは非常に重要ですが、ライダーは実際にバイクを乗ってどのようなフィーリングを得たのかを明確で直接的なフィードバックをくれますので、彼らの意見はより重要です。ただ、それが常に彼らが感じたことを表しているわけでもないんですよ。テストライダーがこういった面で重要になります。テストライダーはオフィシャルライダーが出来ないテストを行うことが出来ますから。」

「テストしたパーツや要素のほとんどはレースでは使えません。それにそうしたものをオフィシャルライダーでテストすることは出来ません。テストライダーは、どのパーツや要素がより効果的なのかを見つけるのを助けてくれるという難しいタスクを担っています。テストライダーとしては、いかにオフィシャルライダーとレベルが近いかということが重要です。オフィシャルライダーと近いレベルで走行をすることで、競技の中で使用するレベルでの理解が出来るんです。」

「我々がテストするのはサスペンション、シャーシ、エンジンといった目に見えるものだけではありません。中には電子制御のテストもあり、いくつものテストを行う日もあれば、こうしたものに優先順位をつけていくことも必要なんです。結局1日で全てのテストを行うことは出来ませんから。」

「時にはオイルや潤滑剤をテストするだけで終わることもあります。もちろんこういったものは実験室で先にテストされているんですけどね。我々はスポンサーがこうした競技に最適な製品を供給してくれる背景がありますから、トラック上では常に素晴らしい結果を得られています。

「シーズンの序盤のテストはレースで使用されることになる現在のバイクを良くすることに集中します。世界選手権の中でどうやっているかにもよりますが、現行モデルの改良、もしくは来年モデルの作業を進めるんです。」

「テストでの結果が、実際の競技にどのように活かされるのか?ということですが、プロトタイプを例にするとかなり時間がかかります。電子制御などであれば、すぐに次のレースから投入が可能です。」

「テストは競技の重要な一部です。そして今はこれから続くプレシーズンテストが多数ある状態です。ファンの皆さんの協力と共にタイトル獲得が出来ることを願っています。」

(Source: repsol)

(Photo courtesy of michelin)