MotoGPの開幕は目前に迫る中、ホンダはドイツのKalex(カレックス・エンジニアリング)にシャーシの制作を依頼しているという話題が出てきた。Kalexはすでに昨シーズンの9月、アラゴン戦でスイングアームをホンダに制作しているが、このスイングアームのフィーリングポジティブだったことが大きいようだ。なお、この新しいフレームの登場は今年5月のヘレステストが予定されている。

ホンダはセパンテストに昨年バレンシアテストのものをベースにしたもの、新しいフレームの2つを持ち込んだとされている。また、ポルトガルでのテストでも新型フレームを持ち込んでいるが、マルケスはセパンテストで使用したフレームでのテストを重視していたことから、おそらくKalexが制作するフレームも、方向性としてはセパンテストでマルケスが使用していたものの延長線となる可能性が高い。[adchord]

しかしホンダのバイクの戦闘力不足はフレームだけにとどまらず、電子制御、エアロダイナミクスに関しても、Ducatiの後塵を拝する状況であることは明確だ。ホンダに乗り換えたジョアン・ミルは、特にRC213Vのパワーデリバリーに関して問題を感じていると語っており、ホンダのバイクに乗るライダーがRC213Vの扱いに苦労していることは誰もが知るところだろう。

現在の共通ECUを上手に制御するには、ECU開発元のマレリ(Magneti Marelli)の技術者が必要であるとされており、実際ホンダ以外のメーカーは元Magneti Marelliのスタッフをすでにヘッドハンティングしている。オープンクラスの登場時点でDucatiがMagneti Marelliと共にECU開発をしており、ECUに関して最も知見がある事は旧知の事実だ。

様々な状況からホンダの戦闘力は開幕戦段階では他のメーカーよりも劣っていると考えるのが妥当で、新しいスプリントレースというフォーマットが各チーム、各メーカーにどのような影響を及ぼすかは未知数ながら、今シーズンも引き続きホンダの苦戦が予想される。

(Photo courtesy of michelin)