グランプリ・コミッション 2027年に導入する新技術規則を承認

グランプリ・コミッション(カルメロ・エスペレーター(ドルナ)、ポール・デュパルク(FIM)、エルベ・ポンシャラル(IRTA)、ビエンセ・ビエルマ(MSMA))は、他の主要な関係者の立会いのもと、2024年4月26日にスペインのヘレスで会合を開き、2027年シーズンに導入される新しい技術規則の概要を承認した。

全体的には排気量の低減、ライドハイトデバイスの排除など、年々高度化、複雑化するMotoGPの安全性を高めるための新たなレギュレーションが導入されたと言えるだろう。

主要な変更点

エンジン排気量の削減

  • MotoGPクラスのエンジン排気量を1000ccから850ccに削減。最大シリンダーボアは81mmから75mmに変更。エンジンは引き続き4ストローク、4気筒のままとする。

コンセッション

  • 2026年に参戦したメーカーは2027年シーズンを「ランクB」で開始する。シーズン中期のチェックポイントで、2027年シーズン前半の成績を基にランキングを再評価する。2026年の成績は考慮されない。
  • 2026年に参戦しなかったメーカーは、2027年シーズンを「ランクD」で開始し、こちらも中期チェックポイントで成績を再評価する。

エンジン

  • 各ライダーに提供されるエンジン数は、最大20レースの場合は6基、21〜22レースの場合は7基となる。
  • コンセッション「ランクD」のメーカーは、シーズンごとにライダー1人あたり2基のエンジンを追加で使用可能。

GPSデータの共有

  • 各セッション終了後に、全ライダーのGPSデータをすべてのチームに共有する。

トランスミッション

  • MotoGPクラスのギアボックスのギア比は16組に制限され、プライマリードライブ用のギア比はシーズンごと4種類のみとなる。

最低重量

  • MotoGPクラスの最低バイク重量は153kgに設定される。

ライドハイトデバイス類

  • あらゆるライドハイトデバイスの使用が禁止。
  • ホールショット装置を含む、レーススタート用の装置も一切使用禁止とする。

燃料タンク容量

  • 燃料タンクの容量は、グランプリレースでは20リットル、スプリントレースでは最大11リットルに削減される。

エアロダイナミクス

  • 前部カウリングエアロボディの最大幅は600mmから550mmに、後端の高さは1250mmから1150mmに減少。
  • 前カウリングのノーズは50mm後退し、リアのテーパーも狭くなる。
  • ライダーの後部にあるエアロダイナミクスも、エアロボディの一部としてホモロゲーションを受けなければならない。メーカーはシーズンごとに1回の更新が可能。

燃料とオイル:

  • 2027年から、100%非石油精製由来の燃料を導入。

(Photo courtesy of FIM)