2025年MotoGP世界選手権第11戦ドイツGPに向け、Monster Energy Yamaha MotoGPチームがザクセン州に到着。1週間のインターバルを挟み、今週末のザクセンリンクと翌週のチェコGPという2連戦を戦い抜く態勢が整った。

現在ランキング11位につけるファビオ・クアルタラロは、テクニカルなザクセンリンクで巻き返しを図る。全長3.671km、左右非対称(左10、右3)のコーナー構成に急峻な高低差が加わるこのサーキットは、決して万人向けではないが、クアルタラロはここで過去に好成績を収めている。2022年には体調不良の中で優勝、2021年には3位表彰台を獲得しており、コース攻略の鍵を知る数少ないライダーのひとりだ。彼は今週末も、私生活でもトレーニングを重ねた成果を持ち込む。

前戦オランダGPを経て、アレックス・リンスはブルノでのプライベートテストに参加。ヤマハのM1マシンで臨む初のザクセンリンク挑戦となる。2024年は負傷のため出場できなかったが、過去にはMoto3(2013年優勝)とMoto2(2015年3位)で表彰台経験があり、好成績を狙える可能性は十分。現在ランキング17位に位置するリンスにとっては、ポイント圏内での安定した走行が鍵となる。

マッシモ・メレガリ(チームディレクター)

「2連戦の合間に1週間の休みはありましたが、ヤマハは一切気を抜かず準備を進めてきました。アレックスはブルノでのプライベートテストに参加し、エンジニア陣も裏でデータ解析を続けてきました。ファビオも日々のトレーニングを欠かさず行っており、チームの士気は高いです。ザクセンリンクはオーバーテイクが極めて難しいコース。Q2への進出と好グリッド獲得が通常以上に重要となります。我々にとって厳しい週末になる可能性はありますが、最善の結果を目指して全力で挑みます」

ファビオ・クアルタラロ

「オランダGPは思うような展開にはなりませんでした。特に後半はペースが上がったのに前に出られず、ライダーたちに塞がれてしまいました。ブルノでのテストデータを活かして、次の2戦に役立てたいと思います。このサーキットでは過去に勝ったこともありますが、セクター2と3では苦戦する場面も多く、簡単な週末にはならないでしょう。それでもポジティブな部分に集中して、いつも通り全力を尽くします」

アレックス・リンス

「オランダGPは本当に厳しい展開でした。序盤の接触がなくてもタフなレースだったと思います。ただ、今自分たちが抱えている問題は明確で、今はその課題をどう解決するかに集中しています。ブルノでのテストは非常に有意義でしたし、ヤマハも開発に大きな努力を注いでくれています。今はただ、集中を切らさずにプッシュし続けることです」