マルケスが逆転優勝、タイヤ空気圧の懸念を克服
2025年シーズン初のブルノでのTissotスプリントで、フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)がポールポジションからスタート。レースは序盤から激戦となったが、タイヤ空気圧の問題によりバニャイアとマルク・マルケス(同チーム)の両名が一時ペースダウン。しかしマルク・マルケスはアコスタの後ろで空気圧をコントロールした後にトップに返り咲き、最後には優勝を掴んだ。なお、マルケスのタイヤ空気圧にはレース終了後調査が入ったが、勝利は確定となった。

スタートから接戦
ホールショットを奪ったのはバニャイアだったが、ターン3でチームメイトのマルケスが前に出て主導権を握る。一方、アレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシング・MotoGP)はスタートに失敗し、初周で19番手に後退。2周目のターン3ではアウグスト・フェルナンデス(ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム)が転倒し、中上貴晶(IDEMITSUホンダLCR)を巻き込んで両者リタイアとなった。
アコスタとクアルタラロの追い上げ
2周目にはペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が3番手に浮上、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)をパス。一方、マルコ・ベツェッキ(アプリリア・レーシング)とクアルタラロはターン10で激しく接触。ワールドチャンピオンのホルヘ・マルティン(アプリリア・レーシング)は復帰戦ながら序盤に7番手まで浮上した。
タイヤ空気圧の問題でドゥカティ勢が減速
4周目終盤、エネア・バスティアニーニ(レッドブルKTMテック3)が好調を活かして4番手に浮上。さらに前方ではターン4の立ち上がりでバニャイアが突然スローダウンし、アコスタ、バスティアニーニ、クアルタラロに先行される。翌周にはマルケスも同様に減速し、アコスタが首位に立った。一時的な減速の後、再びレースペースに戻ったドゥカティ勢の挙動は、タイヤ空気圧の不足が原因だった。
終盤の攻防と表彰台争い
残り2周でベツェッキがクアルタラロを抜いて4位浮上。先頭ではターン8から9の切り返しでマルケスがアコスタを攻略し、これが決勝打となった。スプリントでまたしても勝利を挙げたマルケスは、ランキング首位をさらに拡大。アコスタは2024年アラゴン以来のスプリント初表彰台を獲得。さらにKTMsにとってはブルノでの好相性を再確認する結果となり、バスティアニーニにとっては今季初の表彰台となった。タイヤ空気圧に関する調査は行われたが、最終的にマルケスの優勝は確定した。
フィニッシュとリザルト
ベツェッキが4位でフィニッシュ、クアルタラロがその後ろの5位。最終ラップではフェルナンデスがポールスタートのバニャイアを交わして6位に浮上。ヨハン・ザルコ(CASTROLホンダLCR)と代役のポル・エスパルガロ(レッドブルKTMテック3)がポイント圏を締めくくった。ホルヘ・マルティンは復帰戦を11位で終え、ブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)の後塵を拝した。