2025年シーズン第11戦の舞台となるザクセンリンクに向けて、Honda HRC Castrolチームはさらなる前進と将来への手応えを求めて挑む。全長4km未満という最短クラスのテクニカルサーキットで、今週末のドイツGPが開催される。ザクセンリンクは1周3.671km、コーナーは13(左10、右3)で構成されており、決勝レースは30周。シーズン前半で高速サーキットを転戦してきたHondaにとっては、まったく異なるタイプの挑戦となる。

ルカ・マリーニ 戦線復帰

2日間のプライベートテスト(ブルノ)を終えたルカ・マリーニは、イギリスGP以来となるレース復帰を果たす。2025年に出場したすべてのレースでポイントを獲得しており、その安定感は全ライダー中トップ。まだ完全な状態ではないものの、実戦での走行を通じてさらなるフィジカルの回復と走行リズムの取り戻しを目指す。2024年のザクセンリンクでは、HRCファクトリーライダーとして初めてポイントを獲得した舞台でもある。

ジョアン・ミル 一貫した努力とデータ収集へ

アッセンでの転倒から完全回復したジョアン・ミルは、トレーニングを経て今週末を迎える。高速主体のムジェロやアッセンとは異なり、ザクセンリンクはタイトでテクニカルな構成。RC213Vの性能の幅を試すうえで、エンジニアとともに貴重なデータ収集の場となる。Hondaとともに着実に前進するための鍵を、この変化の大きな局面で探っていく。

ルカ・マリーニ

「チームの皆と再び一緒に仕事ができること、自分のバイクに戻れることが本当に嬉しいです。先週のブルノテストも順調で、自分のフィジカル状態をよく理解することができました。まだ完璧ではありませんが、回復の最善の方法は走ることです。もちろんすぐにトップ争いに戻れたら理想ですが、今週末はまずリズムを取り戻して、シーズン後半につなげることが第一です」

ジョアン・ミル

「アッセンでの転倒から完全に回復し、ジムやバイク、モトクロスでトレーニングを続けてきました。アッセンのことはもう過去として、今はドイツとブルノの2連戦に集中しています。ザクセンリンクはムジェロやアッセンと全く異なるサーキットで、ハイスピードではなくテクニカルさとタイヤのサイドグリップが要求されます。自分たちの現在のパフォーマンスがどこまで通用するか、各セッションでトップ10争いに復帰できるかを確認したいです」