2025年WorldSBKの欧州初戦となるポルトガルラウンド(ポルティマオ)において、ピレリはリアの新しいスタンダードSC0タイヤ「D0640仕様」を導入する。これは2024年アラゴン戦で開発用として初登場し、ライダーから高評価を得たことで、今回スタンダードスペックとして正式採用された。ピレリはこのD0640を市販タイヤとしても展開する予定で、レースで培った技術を市販品にフィードバックするという哲学を体現している。

ソフトタイヤの開発は継続中。新SC0に加え、E0125仕様がポルトガルで公式デビュー
新たに標準リアタイヤとなったSC0に加え、WorldSBKライダーはポルトガルラウンドで新開発のリア用ソフトタイヤ「E0125」も使用可能となる。このタイヤは標準SC0と同じコンパウンドを採用しつつ、異なる構造を採用しており、レース距離全体を通して安定したパフォーマンスと高い安定性を実現することを目的としている。

新ウェット用フロントタイヤも投入
雨天時には、従来の標準ウェットタイヤSCR1に加えて、新開発仕様「E0158」が使用可能。このタイヤは革新的な構造により接地面積を拡大し、ウェットコンディションにおける安定性をさらに向上させている。

全カテゴリーのタイヤ配分
WorldSBKクラスでは、フロントにミディアムのSC1とハードのSC2が用意され、リアには以下の4種類が選択可能となる

  • スーパーソフトのSCX(フリープラクティス、予選、スーパーポールレース用)
  • ソフトSC0の2仕様(標準SC0および開発仕様E0125)
  • ミディアムのSC1

WorldSSPクラスにもフロントは同様にSC1とSC2が用意され、リアにはSC0またはSC1を組み合わせて使用する。
WorldSSP300クラスでは、今大会においてフロントにSC1、リアにSC2のコンパウンドが支給される。
R3 bLU cRUワールドカップでは、シーズンを通じて前後ともにSC1コンパウンドが使用される。

ピレリ モーターサイクルレース部門ディレクター ジョルジオ・バルビエ

「ポルティマオはタイヤに対して中程度の負荷がかかるトラックであり、新しいソリューションを試すのに最適です。今回D0640を標準SC0として昇格させることにしました。アラゴンでのデビュー以来、WorldSBKだけでなくMoto2™や各地のテストでも高評価を得てきました。この変更は当然の流れでした。我々の開発は今後も止まりません。E0125という新しい構造のソフトタイヤも導入し、さらにウェット時にはSCR1に加えてE0158も用意します。予選やスーパーポールレース用のSCQの代替としては、これまで通りSCXが使用されます。」

(Photo courtesy of Pirelli)